米への不安背景に欧州防衛強化 核の傘は維持
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【2月15日 AFP】ドイツで開催中のミュンヘン安全保障会議で14日、欧州の防衛は欧州諸国が主導する必要があるという点で欧米の指導者らが合意した。ただ、合意の背景にある理由については双方で大きく異なっていた。
マルコ・ルビオ米国務長官は「欧州が強くなることを望んでいる」と語り、ウルズラ・フォンデアライエン欧州委員会委員長も「われわれは、その責任を引き受けなければならない」と述べた。
米政府は、欧州の同盟国が米国の寛大さを利用するのをやめ、通常防衛に関しては、欧州が責任を持つ必要があると主張している。中国などの他の脅威に集中できるというのがその理由だ。
一方、欧州側の念頭にあるのは、ドナルド・トランプ米大統領に対する懸念だ。
ウクライナ侵攻を続けるロシアが脅威となる中、トランプ氏がグリーンランドの領有に関する主張を行ったことで、欧州と北大西洋条約機構(NATO)を揺るがし、米国が頼りにならないという感覚を増幅させた。
NATO同盟国は昨年、すでに今後10年間で防衛予算を増額することを約束している。しかし、こうした約束は最初のステップに過ぎず、今後は、それらを自国を防衛するための資金、武器、兵士という形で具体化する必要がある。
マルク・ルッテNATO事務総長は、同盟国の間で「考え方の真の転換」があったと主張する。
ルッテ氏は記者団に対し、欧州全体が支出の約束を履行するように圧力を維持し、産業が必要なすべての兵器を生産できることを保証することが優先事項だと述べ「完全に集中しなければならない」と語った。
ロシアに隣接し、防衛支出で主導的な役割を果たしているエストニアのハンノ・ペフクル国防相はこの意見に同意する。
同氏はAFPに「多くの国が防衛予算の増額という課題に直面しており、産業がその資金にどう対応できるかも課題だ」と語った。
また、兵士の確保も懸念事項で「徴兵制のない国では、徴兵制を導入すべきか、予備役を構築すべきかという議論が間違いなくある」と述べた。
一方で、NATOのこうした新たな目標を達成しても防衛力が十分でない可能性があると指摘する声も上がった。
デンマークのメッテ・フレデリクセン首相は、同国はすでにGDPの3.5%を防衛に充て求められている要件を満たしているとし、他国も2035年の期限を待たずに目標を達成する必要があるとした上で、それでもさらに必要になる可能性すらあると指摘した。