「中国の巨額貿易黒字は持続不可能」 WTO事務局長、輸出主導型成長モデルの転換促す
このニュースをシェア
【2月14日 AFP】世界貿易機関(WTO)のヌゴジ・オコンジョイウェアラ事務局長は13日、中国の急増する貿易黒字は最終的に持続不可能で、新たな貿易障壁を生み出すリスクがあると主張し、中国に対し成長モデルの転換を促した。
オコンジョイウェアラ氏はドイツで開催中のミュンヘン安全保障会議で、中国は「多角的貿易体制から多大な恩恵を受けて」おり、この体制を維持したいとしているが、「過去40年間中国の成長をけん引してきた輸出主導型の成長モデルは、今後40年間の中国の成長をけん引することはできない」と指摘。
「そして、1兆2000億ドル(約184兆円)の貿易黒字は持続可能ではない。世界の他の国々はそれを吸収できないからだ」「中国が行動を起こさなければ、さらなる貿易障壁が生まれるだろう」と付け加えた。
ドナルド・トランプ米大統領のホワイトハウス復帰後、世界の二大経済大国間の激しい貿易戦争が再燃し、米国との貿易が急激に減少したにもかかわらず、中国の貿易黒字は昨年、過去最高の1兆2000億ドルに達した。
他の貿易相手国が対米貿易の減少分を十分以上に補い、2025年の中国の輸出総額(ドル建て)は前年比5.5%増加した一方、輸入は横ばいだった。
中国政府は9日、2025年の実質国内総生産(GDP)成長率が5.0%だったと発表した。これはここ数十年で最低水準だ。世界第2位の経済大国である中国は、個人消費の低迷と不動産業界の債務危機に苦しんでいる。
昨年10月、トランプ氏は中国の習近平国家主席と中国によるレアアース(希土類)輸出規制強化の1年間停止や追加関税の引き下げなどで一致し、「休戦」に合意した。だが、1月にはイランの貿易相手国に関税を課すと発表した。
これに対しイラン最大の貿易相手国である中国は、自国の利益を守ると警告している。
欧州連合(EU)など、中国製品の他の主要市場も、大幅な対中貿易赤字に懸念を抱いている。
欧州諸国は、欧州市場が中国の生産過剰の受け皿とされることを懸念し、長年低迷している国内消費のテコ入れを中国に求めている。(c)AFP