マクロン氏、反ユダヤ主義をギリシャ神話の怪物「ヒュドラ」になぞらえ批判
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【2月14日 AFP】フランスのエマニュエル・マクロン大統領は13日、23歳のフランス在住のユダヤ人イラン・ハリミさんが拷問を受けて殺害されてから20年に合わせ、社会の「あらゆる亀裂」に潜む「反ユダヤ主義のヒュドラ(ギリシャ神話に登場するほとんど不死身ともいえる再生能力を持った怪物、転じて根絶し難いものの意)」を非難した。
マクロン氏はハリミさんを追悼するため、エリゼ宮(大統領府)の庭園に樫の木を植樹した。ハリミさんの姉妹のアンヌロール・アビトボルさんも立ち会った。
マクロン氏は、反ユダヤ主義との闘いにはすべてのフランス国民が参加する必要があると強調し、反ユダヤ主義や人種差別的な発言をした選挙で選ばれた公職者には「立候補を禁止する」べきだと訴えた。
ハリミさんは2006年1月、約20人の若者集団に拉致され、パリ郊外バニューの低所得者向け住宅で拷問を受けた。 3週間後に発見されたが、病院に搬送される途中で死亡した。
マクロン氏は、「祖国でユダヤ人が危険にさらされている時、危険にさらされているのは祖国そのものだ」「フランス共和国の家族写真からフランスのユダヤ人を消し去ることはできない」と述べた。
マクロン氏は、過去20年間で反ユダヤ主義が深刻化していると述べた。
「20年間、警察官、憲兵、裁判官、教師、公職者たちの断固たる努力にもかかわらず、反ユダヤ主義のヒュドラは大きくなり続けている」「絶えず新たな様相を呈する反ユダヤ主義のヒュドラはわれわれの社会の奥深く、あらゆる亀裂に潜り込み、あまりにも頻繁に、見て見ぬふりをするという卑怯な契約を伴ってきた」と述べた。
■「極左の反ユダヤ主義」
マクロン氏は、2023年10月7日のイスラム組織ハマスによるイスラエルへの越境攻撃に言及し、「10月7日のポグロム(ユダヤ人する集団的迫害行為)の背後にあったイスラム主義的な反ユダヤ主義」を強く非難した。
さらに、「極左の反ユダヤ主義」は「極右の反ユダヤ主義に匹敵する」ものであり、「反シオニズムの仮面をかぶって静かに前進する反ユダヤ主義」だと非難した。
マクロン氏は、反ユダヤ主義的・人種差別的な行為や発言をした公職者に対し、「強制的な立候補禁止」を求めるとも述べ、「反ユダヤ主義的な犯罪の加害者に対する判決はたいてい嘲笑的だ」と付け加えた。
マクロン氏は、フランスはソーシャルメディアプラットフォームに責任を負わせ、「デジタル憎悪の毒」と闘うため、有害なコンテンツの削除を求めると述べた。
さらに、「われわれに説教しようとする一部の勢力には敬意を表するが、啓蒙主義のフランスでは、言論の自由は反ユダヤ主義と人種差別には及ばない」とも述べた。米国に言及したものとみられる。(c)AFP