【2月20日 CNS】「エネルギー革命を引き続き深化させ、山西省(Shanxi)はエネルギーの供給側と需要側の両面で連携して取り組み、石炭大省からエネルギー強省への転換を進める」。山西省発展改革委員会の党組書記兼主任を務める陳磊(Chen Lei)氏は、「三里河中国経済観察」のインタビューでこう述べた。

山西省は全国初の「エネルギー革命総合改革」の試行地域として、近年、エネルギー分野の技術革新を進めるとともに、制度改革を深めてきた。エネルギー大省が「大きい」だけでなく「強い」存在へと変わるには、まず伝統的な石炭産業を、よりクリーンで低炭素、かつ多様な形へと転換させることが最優先の課題になるという。

2026年は、増産が承認された炭鉱の手続きを加速し、法令に基づいて優良な生産能力を着実に引き出し、年間の石炭生産量の安定を確保する。あわせて「AI+鉱山」の整備を進め、新たに60か所のスマート炭鉱を建設する計画だ。石炭・コークスの取引センターも高水準で整備し、グリーン採掘の技術基準を整える。さらにグリーン採掘の実証炭鉱を15か所配置し、石炭由来の新素材や先端炭素材料などの高度加工プロジェクトも進める。低炭素・ゼロカーボンの鉱区を複数整備し、石炭の種類ごとの調整管理を実施して、資源の利用効率を高める方針だ。

エネルギー大省として、山西省は2026年も国家のエネルギー安全保障を支える責任を担い続ける。各市域に石炭、石炭火力、新エネルギーなど多様なエネルギー源がそろう利点を生かし、電源・送電網・需要・蓄電の連携を強める。「利用場面の誘導」「需要吸収の下支え」「融合の実装」を組み合わせた形で、エネルギー転換と高度化の新たな道筋を探り、総合エネルギーサービスの新しい業態づくりを進めるとしている。

総合エネルギーサービスの分野では、京津冀(北京市・天津市<Tianjin>・河北省<Hebei>)との相互融通能力を高め、華北電力網の調整力(ピーク調整)拠点を整備する。地域レベルの総合エネルギーサービスを展開し、複数エネルギーの補完を担う結節点を構築する。グリーン電力の産業団地やスマート・マイクログリッドなどの場面に焦点を当て、グリーン電力の受け入れ・利用の仕組みを再構築するという。

陳氏は、石炭産業の転換だけでなく、新エネルギーとクリーンエネルギーの拡大も加速させるとした。2026年は、新エネルギー・クリーンエネルギーの新規導入規模を3000万キロワット、系統連系を2000万キロワットとする目標を掲げる。

具体的には、晋北の採炭沈下地帯における新エネルギー基地の建設と稼働を急ぎ、「新エネルギー+生態修復」のモデルを広げ、風力・太陽光の資源を基地型に配置する。さらに非在来型天然ガスの産業クラスターを拡大し、年間生産量200億立方メートル超を目指す。メタノール、地熱、バイオマスなども段階的に進め、渾源県、垣曲県など4件の揚水発電プロジェクトを加速する。蓄電分野では、リチウムイオン、ナトリウムイオン、フライホイールなど新型蓄電を多角的に配置し、スマートグリッド、マイクログリッド、仮想発電所の整備を進め、電力系統の柔軟性を高める。

ここ数年で、山西省の電力は「石炭火力中心」から「グリーン電力が先導」する形へと移りつつある。データによると、2025年1月にはクリーン電源の設備容量が初めて石炭火力を上回り、使用する電力のうち3キロワット時に1キロワット時がクリーン電力になったという。

また山西省は、全国初の省級電力スポット市場を整備し、電力を商品として比較して選べる仕組みを整えた。2万社以上が取引に参加し、電力価格の合理化につながったとしている。電力需要が集中する開発区向けには、グリーン電力の産業団地を整備し、専用線でユーザーと直接つなぐことで、データセンター(演算能力)、化学、冶金など電力多消費型産業が、安価でクリーンな電力を利用できるようにしたという。

クリーン電力の利用拡大に向け、山西省は13か所のグリーン電力団地を整備し、重点需要家に対しては個別にグリーン電力の直結(直接接続)を進める。グリーン電力を軸に企業誘致を全面的に進め、条件の整った団地はゼロカーボン団地へと高度化させる。さらに、バッテリー交換式の大型トラック、グリーン鉱山、グリーン製錬、グリーン加工を育成し、「グリーンエネルギー+製造」「グリーンエネルギー+取引」「グリーンエネルギー+認証」といったモデルを探りながら、グリーン電力の活用を広げていく。

AI時代を見据え、山西省はデジタル技術でエネルギー分野とAIの連携を強める。石炭などエネルギー資源分野を対象とする国家レベルのAI応用実証拠点を整備し、晋城市(Jincheng)ではV2G(車と電力網の連携)の大規模実証を進める。送電網も強化し、北部の大同市(Datong)から天津(Tianjin)方面への送電ルート整備を加速するほか、南部の長治市から河南省南部の南陽市へ至る2本目の1000キロボルト級交流送電線の準備も前倒しするという。

制度改革では、全国統一の電力市場への統合を加速し、スポット市場と中長期取引の仕組みを整備する。省内の新エネルギーの入札制度も着実に進め、工商業向け電力料金メカニズムの最適化に関する12項目の政策効果を早期に発揮させる方針だ。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News