戦死者追悼ヘルメットで出場資格はく奪 ヘラスケビッチ「尊厳の代償」
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【2月12日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)は12日、ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪のウクライナ代表スケルトン選手、ウラジスラフ・ヘラスケビッチの五輪出場資格をはく奪する決定を下した。IOCにより禁止されたヘルメットを12日の競技で着用すると明言したためだ。このヘルメットには、2022年のロシアによる侵攻以降に亡くなったウクライナ人選手らの写真があしらわれていた。
IOCは声明で、ヘラスケビッチが「IOCの指針に従うことを拒否した」ため、ミラノ・コルティナ大会への出場を禁じると発表した。
五輪のガイドラインでは競技中の政治的なジェスチャーが禁止されているが、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、このヘルメットを着用するヘラスケビッチの権利を擁護していた。
IOCは「最後の機会が与えられたにもかかわらず、ウクライナのスケルトン選手ウラジスラフ・ヘラスケビッチは今朝、ミラノ・コルティナ2026五輪冬季大会でレースを開始することができない」と声明で述べた。
また「この決定は、アスリートの表現に関するIOCのガイドラインに従わなかったことに基づいており、彼が着用しようとしたヘルメットが規則に適合していなかったという事実に基づき、国際ボブスレー・スケルトン連盟(IBSF)の審査員が判断を下した」と説明した。
失格処分を受けてヘラスケビッチはX(旧ツイッター)で「これがわれわれの尊厳の代償だ」と述べ、戦死者の写真をあしらったヘルメットの画像を投稿した。
また、ウクライナのアンドリー・シビハ外相も「IOCが排除したのはウクライナ選手ではなく、自らの名誉だ。未来の世代はこれを恥の瞬間として記憶するだろう」とSNSへの投稿で批判した。
選手は、記者会見やソーシャルメディアでの意見表明は許されている。また10日には、ヘラスケビッチに対し「競技中に黒い腕章を着用して追悼することを例外的に許可する」とIOCは発表していた。(c)AFP