【2月12日 AFP】ジェットコースターのような人生とキャリアの中で栄光と獄中生活を味わってきたボクシングの元ヘビー級世界王者マイク・タイソン氏(59)は11日、ドナルド・トランプ米政権の健康的な食生活のPR大使という新たな役割について語った。

タイソン氏は、米国で人気のある冷凍ピザやスナック菓子などの「超加工食品」に反対する、「リアル・フード(加工されていない自然な状態に近い食品)を食べよう」というスローガンを掲げた広告キャンペーンに出演した。このキャンペーンの広告は8日、米プロフットボールNFLの王者を決めるスーパーボウルでも放映された。

タイソン氏は11日、「米国を再び健康に」をスローガンに掲げるロバート・ケネディ・ジュニア厚生長官とのイベントで「これは私の人生最大の闘いだ」と語った。

タイソン氏は、レイプ罪での有罪判決と服役、そして対戦相手の耳の一部をかみちぎった試合によってボクシングの功績に傷がついたため、名誉挽回を象徴する存在となっている。

この新しい白黒CMで、タイソン氏は、姉のデニスさんが肥満に苦しみ、25歳で心臓発作により亡くなったことを回想。

タイソン氏自身も子どもの頃に体重問題と闘った。ジャンクフードを日常的に食べていたため、体重が156キロにまで増えたこともあるという。

「自己嫌悪がひどかった」「ただ自殺したかった」とタイソン氏はCMの中で語っている。

タイソン氏はケネディ氏とのイベントで、「私の出身地はブルックリンのブラウンズビルだ。ニューヨーク市で最も暴力と貧困に苦しむ地域だ。そこでは、超加工食品が当たり前だった」と語った。

政府の統計によると、米国人は超加工食品由来の高カロリーの食事を摂取しており、この分野では世界最悪の部類に入る。

砂糖、脂肪、塩分、保存料を多く含む食品の摂取は、肥満、糖尿病、心血管疾患のリスクを高めるとされる。

ワクチンを軽視するなど、米国の医療政策が次々と変更される中、ケネディ氏は先月、食生ピラミッド(米国の栄養摂取に関するガイドライン)をひっくり返し、国民に肉や全乳乳製品を摂取するよう促した。

オート麦などの食物繊維が豊富な全粒穀物は現在、ピラミッドの最下位に位置している。

反対派は、この変更は農業界のロビー活動によるものではないかと懸念している。

タイソン氏は1980年代にボクシングのヘビー級世界王者の座に輝き、リング上での激しい攻撃と驚異的なパンチ力で対戦相手を恐怖に陥れた。

だが、当時18歳だったモデルのデザリー・ワシントンさんをレイプした罪で有罪判決を受け、1992年から3年間服役した。

1996年の悪名高い試合で、タイソン氏は対戦相手のイベンダー・ホリフィールド選手の耳の一部をかみちぎった。(c)AFP