【2月19日 CNS】韓国の調査機関SNEリサーチ(SNE Research)が1月に公表した最新ランキングでは、車載(動力)電池サプライヤーの世界上位10社がいずれも日本・中国・韓国の企業で占められ、中国勢は6社に上った。車載電池の中心が東アジアにあり、その中でも中国の存在感が大きいことを示す結果といえる。

中国は現在、車載電池分野の特許のおよそ7割、市場シェアも約7割を握るとされ、主要プレーヤーとしての地位を固めている。近年は研究開発投資を一段と増やし、企業や研究機関の投資規模は世界でも上位にある。寧徳時代新能源科技(CATL)を例に取ると、2024年の研究開発費は186億元(約4199億8428万円)で、その成果として平均すると1日当たり16.8件の特許が生まれたという。中国の車載電池産業では、用途に応じて複数の技術が並び立つ形が広がり、市場の細分化も進んでいる。人型ロボットや「低空経済」といった新産業の広がりが、電池技術の発展を後押しする新たな要因になっている。

中国の車載電池は大きく二つの主流に分かれる。一つはリン酸鉄リチウム(LFP)電池で、寧徳時代のLFP「麒麟」電池や比亜迪汽車(BYD)の「ブレードバッテリー」が代表例だ。コストを抑えやすく、安全性が高く、寿命も長いという特長から、乗用車、商用車、定置用蓄電など幅広い用途で使われ、市場の8割超を占める。もう一つは三元系電池で、高性能を重視する。中創新航科技(CALB)は高電圧の三元系で技術を積み重ね、億緯リチウムエナジー(EVE Energy)は高エネルギー密度と高級車への適合性を強みとする。

主流以外でも、各社は差別化を狙った開発を進めている。大型円筒形電池は、エネルギー効率の高さや構造上の特性を生かし、オフロード車や物流車など、振動や衝撃を受けやすい用途で新たな需要を開きつつある。億緯リチウムエナジーや寧徳時代が関連分野に取り組む。パウチ型電池は孚能科技(Farasis Energy)を代表例とし、高エネルギー密度とパック設計の柔軟性が強みだ。さらに、全固体・半固体電池といった次世代分野でも動きが活発だ。寧徳時代や比亜迪などの大手は硫化物系の全固体電池を主軸に据え、エネルギー密度は500ワット時毎キロを超え、2027年の小規模量産を計画している。清陶能源(Qing Tao Energy Development)や衛藍新能源(Beijing Welion New Energy)などは酸化物系の半固体電池に注力し、智己L6や蔚来ET9といった中国の高級車に搭載されたとしている。

こうした複数路線での開発は、エネルギー密度、安全性、コスト効率といった性能の更新を促すだけでなく、用途の多様化と海外市場の需要に応える土台にもなっている。

用途の広がりとともに、電池は従来の新エネルギー車中心の領域から、より過酷な環境や新しい用途へと広がり始めた。人型ロボットやドローンの成長は、とりわけ中国の電池産業の今後を左右する要素として注目されている。

業界関係者の見方では、2025年は人型ロボットが量産段階に入る節目になる可能性がある。「中国能源報」は、2030年までに世界の人型ロボット出荷台数が500万台に達すると見込む。1台当たりの電池容量を2.5キロワット時とすると、少なくとも12.5ギガワット時の需要が生まれ、航続距離500キロの電気自動車約25万台分に相当する計算だ。

この見通しを受け、中国の電池メーカーは動きを強めている。寧徳時代、訢旺達(Sunwoda)、国軒高科(Gotion High-Tech)、億緯リチウムエナジー、蜂巣能源(SVOLT)などの大手は、人型ロボット向けを電池技術の重点領域に含める方針を相次いで示した。

同じように、ドローン分野でも電池が成長の鍵を握る。2025年5月、訢旺達は「ソフト固体」技術をうたい、エネルギー密度360ワット時毎キロの低空向け動力電池を発表した。都市での移動、農林業の防除、緊急救援、物資輸送などの用途を想定する。一方で業界では、ドローンの垂直離陸に必要な出力は地上移動の10~15倍に達するとされ、本格的な普及にはエネルギー密度400ワット時毎キロ以上が求められるという見方が強い。

2025年12月に広東省(Guangdong)広州市(Guangzhou)で開かれた国際低空経済貿易博覧会でも、低空向け動力電池の航続(稼働)性能が低空経済の発展を左右する課題になっている、との指摘が出た。ドローンはエネルギー密度に加え、急速充電性能や極端な環境での安定性も求める。低空向け電池では、材料、構造、管理技術の各面で大きな前進が必要だという。 (c)CNS/JCM/AFPBB News