人型ロボットのレンタル市場、価格と生き残りを巡る攻防
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【2月19日 東方新報】春節(旧正月、Lunar New Year)を前に、人型ロボットのレンタル市場は繁忙期を迎えている。複数のレンタル業者によると、日程が完全に埋まるほどではないものの、予約は春節期間まで入り、年明け以降の案件も順次確定しているという。
市場拡大のきっかけとなったのが、2025年の春節特番「春晩」だ。宇樹科技(Unitree Robotics)の人型ロボットが秧歌(中国の伝統舞踊)を披露した演出は強い注目を集め、以降1年にわたり演芸分野での需要を押し上げた。ある業者は「王興興(Wang Xingxing)氏(宇樹科技創業者)が宇樹科技を春晩に出した判断が、市場拡大の決定打になった」と振り返る。
次の焦点は、2026年の春晩だ。複数メーカーが同じ舞台で競演するとみられ、業界ではその出来が今後の勢力図を左右すると見ている。安定性や対話性能に優れたロボットは、翌年のレンタル市場で存在感を高める可能性がある。
昨年10月には、広東省(Guangdong)広州市(Guangzhou)の要務科技(Yaowutech)がマカオの総合リゾート「ベネチアン(The Venetian Macao)」で開催されたファッションショーで、ロボットによるランウェイ演出を手がけた。同社ロボット事業のビジネス担当ディレクター、閆珺茹(Yan Junru)氏は「香港・マカオ地域では安定した顧客層が形成されつつある」と話す。
一方で、2025年初頭から現在にかけて、レンタル価格は大きく下落した。春晩直後には宇樹G1のレンタル料が1日2万元(約44万9962円)まで高騰したが、その後参入業者が急増し、2026年初頭には最新モデルでも5000元(約11万2490円)前後が相場となっている。業界関係者は「上乗せ分が削られ、価格はほぼ底に近い」と口をそろえる。
価格下落の中でも、ブランド間の競争は続く。昆明燊林科技の創業者、胡精灵(Hu Jingling)氏は「輸送のしやすさや完成度の高さから、宇樹科技は依然として強い」と見る。一方、寰識科技(上海)の創業者、龍勇明(Long Yongming)氏は「下半期は智元機器人(Agibot)の存在感が増した」と指摘する。
こうした競争に拍車をかけているのが、レンタルプラットフォームの参入だ。2025年末に「擎天租」、続いて「万机易租」が立ち上がり、相場より低い価格で市場を開拓している。ただ、すでに参画している業者からは「注文数はまだ自社ルートが中心」との声もあり、影響は限定的との見方もある。
価格低下が続く中、業者は拠点を分散させるなど、コストを抑えた運営に舵を切り始めている。メーカーの勢力図も、レンタル市場の行方もなお流動的だ。価格はどこで下げ止まるのか、人型ロボットは歌や踊り以外にどんな役割を担うようになるのか。市場は試行錯誤の段階にある。(c)東方新報/AFPBB News