国連特別報告者、ドイツでの言論の自由縮小に警鐘「公職者は批判受け入れる覚悟を」
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【2月7日 AFP】国連のアイリーン・カーン特別報告者(言論と表現の自由担当)は6日、ドイツでヘイトスピーチ(憎悪表現)が増加しているが、同国政府の対応は時に過剰だったと述べた。
カーン氏はベルリンで記者会見し、ドイツでは「ヘイトスピーチ、イスラモフォビア(イスラム恐怖症)、反ユダヤ主義、反移民、性差別などが増加している」として、ドイツ政府がこうした脅威を深刻に受け止めるのは当然だが、対策が「国際人権基準に合致しない」ケースもあったと指摘。
「こうした対策は、保護されるべき言論と禁止されるべき言論の境界線を曖昧にし、レッテル貼りや自己検閲を助長してきた」と述べた。
物議を醸した事例の一つとして、昨年6月に60代の男性が、当時のロベルト・ハーベック副首相兼経済・気候保護相(リベラル派の緑の党)を侮辱する画像をX(旧ツイッター)に投稿したとして、家宅捜索を受けたケースが挙げられる。
昨年4月には、当時のアナレーナ・ベーアボック外相(緑の党)を「テロリスト」と中傷する動画を投稿した女性が、600ユーロ(約11万円)の罰金を科された。
カーン氏はAFPの取材に対し、政治家が嫌がらせを恐れることなく活動できるよう設計されたドイツの法律は「民主主義国家では一般的なものではない」と指摘した。
さらに、「権力を持つ側にある公職者が自身を批判した市民を刑法を使って訴えれば、その市民は無力化されてしまう」と主張。
「公職者ならば、批判を受け入れる覚悟を持つべきだ」「不愉快であっても違法ではないなら、厳しい意見も受け入れる覚悟が必要だ」と付け加えた。(c)AFP