【2月6日 AFP】ニュージーランドのデービッド・シーモア副首相は6日、同国の植民地が先住民マオリにとってプラスに働いたとの持論に対する批判を一蹴し、自身にやじを飛ばした人物を「脳足りん」と呼んだ。

右派ACT党の党首でもあるシーモア氏は5日、建国記念日ワイタンギ・デーの演説でニュージーランドの植民地がマオリにとってプラスに働いたと主張した。ワイタンギ・デーは、先住民にとって不満を表明する機会となっている。

1840年にニュージーランド建国文書である「ワイタンギ条約」の調印式が行われたワイタンギ・アッパー・トリーティ・グラウンドでの6日夜明けの礼拝で、シーモア氏が立ち上がって祈りをささげようとしたところ、数十人がブーイングと叫び声を上げ、やめるよう求めた。

シーモア氏の演説をかき消そうとほら貝を吹く人もいた。

シーモア氏は、「この国中のサイレントマジョリティー(物言わぬ多数派)は、こうした悪ふざけに少しうんざりしている」と述べた。

さらに記者団に対し、やじを飛ばしている人物について、「暗闇の中で2、3人の脳足りんが叫んでいる」と述べた。

シーモア氏が属する3党連立政権は、ニュージーランドに90万人いるマオリに与えられている特権を廃止・縮小しようとしていると非難されている。

自身もマオリであるシーモア氏は5日、ワイタンギに集まった人々に対し、ニュージーランドの植民地化は先住民にとって全体としてはプラスだったと語った。

「植民地化やわが国で起こったすべての出来事がすべて悪であったという、近視眼的で単調な話にはいつも驚かされる」と述べた。

ニュージーランドで現在、マオリは欧州系と比べて、早死にしたり、貧困に陥ったり、犯罪に手を染め拘禁刑を科されたりする傾向がはるかに強い。

6日のシーモア氏の祈りの後、左派・労働党のクリス・ヒプキンス党首も出席者から激しいやじを浴びた。

先住民族リーダーであるエル・カパキンギ氏は5日、議会で前労働党政権は「われわれを背後から刺してきた」が、「現政権は正面から刺している」と主張。

「われわれはなぜ家の中にクモを歓迎し続けるのか?」と付け加えた。(c)AFP