北朝鮮経済が5年で10%成長? 制裁下で見えた意外な回復力…韓国KDIが分析
このニュースをシェア
【02月06日 KOREA WAVE】北朝鮮経済が直近5年間で累計約10%成長したとみられる――こんな推計を韓国開発研究院(KDI)が明らかにした。北朝鮮が長期低迷から抜け出し、産業と農業を軸に回復局面へ移行しているという。一方で2026年は、為替の急変と物価不安、対中交流の行方が成長を左右する変数になると見込まれる。
KDIが3日に公表した「北朝鮮経済レビュー」1月号に、報告書「岐路に立つ北朝鮮経済:2025年評価と2026年展望」が掲載された。それによると、2025年の成長率を3%と仮定した場合、2021~2025年の国家経済発展5カ年計画期間で北朝鮮経済は累計約10%の成長を達成したと推計される。
これは、制裁の長期化と新型コロナ禍の国境封鎖が重なり、2020年時点の経済規模が2016年比で約11.4%縮小した局面と対照的だ。近年は同じ制裁環境下でも、出発点より指標が改善する動きが確認された。
回復を主導したのは産業と農業だ。北朝鮮は5カ年計画を通じ、体制安定と既存産業の整備・補強を進めた。穀物生産は2025年に490万トンと、前年から12万トン増加。計画開始前の2020年(440万トン)と比べると約50万トン増えた。
産業面では、2024年に圧延鋼材の生産が前年比46%増、有色金属が40%増と拡大した。KDIのイ・ジョンギュ上級研究委員は、圧延鋼材が建設、発電設備、国防軍需に幅広く使われる点に触れ、「関連産業の稼働が活発だったことを示す。金属・化学部門を優先育成するとした5カ年計画の影響が表れた」と評価した。
財政面でも改善が見られる。国境封鎖期(2021~2023年)の国家予算収入の年平均増加率は1.4%にとどまったが、2024年には4.3%へ反発した。
もっとも、KDIは2026年の不確実性として為替と物価を挙げる。北朝鮮ウォンは、2024年1月の1ドル=8375ウォンから同年12月に3万7700ウォンまで急落し、年平均でも前年より120%以上の通貨安が観測された。米ドルと人民元に対する下落が重なり、コメや燃料など生活必需品の価格上昇が加速しているという。
イ・ジョンギュ氏は「短期の需給ショックに加え、外貨統制の強化、インフレ期待の拡散、通貨価値の低下が重なった可能性が高い。市場全体へ不安が波及すれば、成長の足かせになり得る」と分析する。
このほか、内閣主導の中央集権的な経済運営の継続可否や、中朝貿易の拡大も注視すべき点だ。中央集権は短期的に政策遂行力と資源動員力を保てる半面、市場機能を抑え、成長の広がりを制限しかねない。対中交流の拡大は外貨需要を高め、為替不安を増幅させる恐れもある。
イ・ジョンギュ氏は「北朝鮮経済は回復局面に入ったが、国家が統制できる領域で成果を集中管理してきた結果でもある。今後は、成果をどれだけ民間へ波及させられるか、為替・物価の安定と対外取引構造の改善で広がりを持たせられるかが鍵になる」と指摘した。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News