【2月10日  People’s Daily】対外経済の活発度を示す重要な指標として、中国のクロスボーダー資金収支(実際に国境を越えた決済ベースの資金の受払い)は、過去5年間で着実に活力を高めてきた。2024年には、中国のクロスボーダー資金収支の規模は14兆ドル(約2213兆8200億円)に達し、20年比で64%増加した。また、25年の第1四半期から第3四半期まで(1月から9月まで)の中国のクロスボーダー資金収支総額は11.6兆米ドル(約1834兆3080億円)に達し、前年同期比10.5%増加した。クロスボーダー貿易と投融資活動の活発化が継続している。

過去5年間、中国の外国為替市場にはどのような新たな変化があったのか。これについて三つの視点から見ていこう。

■資金収支の規模が拡大、運行が安定的に

近頃13.3トンの新鮮なブドウが出荷され、パナマへと順調に輸出された。これは甘粛省(Gansu)の果実栽培と農業技術サービス企業「甘粛本源興農産品」が甘粛省敦煌(Dunhuang)産の新鮮なブドウを初めてアメリカ大陸市場へ輸出した事例である。同社の業務責任者・翟凱君(Zhai Kaijun)氏は「地域の自然資源と製品の優位性を活かし、近年国際市場を開拓し続け、新鮮なブドウの輸出量は継続的に増加している」と話す。

中国各地の対外貿易の強靭性に支えられ、国際収支ベースの貨物貿易の輸出入規模は近年拡大を続けている。国家外国為替管理局のデータによれば、21年から24年までの国際収支ベースの貨物貿易輸出入の年平均規模は約6兆米ドル(約948兆7800億円)近くに達し「第13次五か年計画(16-20年)」期間の年平均規模より約43%の増加となった。

近年、国際経済貿易情勢は大きく変化する中、中国は着実に製造業の転換と高度化を推進し、対外経済はプレッシャーに耐えながら安定的に発展してきた。貨物貿易の規模の拡大と同時に、クロスボーダー双方向の投融資も着実に増加し、21年から25年上半期(25年1-6月期)までの外国資本の「純流入額(流入額マイナス流出額)」は7400億米ドル(約117兆162億円)余りに上る。

流入があれば流出もあり、それによって国際収支は基本的な均衡を維持できる。中国企業や金融機関などの対外投資は資金の流出・運用を促し、対外金融資産と負債は持続的に増加している。

データによれば、25年6月末時点で中国の対外金融資産は11兆米ドル(約1739兆4300億円)を超え、対外負債の方も7.2兆米ドル(約1138兆5360億円)を超え、それぞれ20年末比25%、10%の増加となった。対外純資産は3.8兆米ドル(約600兆8940億円)で、引き続き世界第3位を維持している。

■資金決済のサービス環境の改善、ますます便利に

山東省(Shandong)臨沂市(Linyi)に拠点を置く建築用木材製品メーカー「明拓木業」(Linyi ConsmosWood)」の李天鵬(Li Tianpeng)財務総監は「貿易収支の利便化政策のおかげで、企業のクロスボーダー資金決済処理の効率が大幅に向上した」と語る。同社は常時、ボード類、壁板などの建築材料を輸出しており、クロスボーダー資金決済に高いニーズがある。以前は決済処理に多くの書類を準備し、銀行とのやり取りに多くの時間を費やしていたが、現在では一件ごとの外貨受け取り決済が迅速に完了するようになったという。25年上半期(1月~6月)、同社は累計3000件以上のクロスボーダー外貨受入れを処理し、金額は6400万米ドル(約101億2032万円)余りに達した。

「第14次五か年計画(21-25年)」期間中、国家外国為替管理局は優良企業向け貿易外貨収支利便化政策を足掛かりとして、事業主体の格付けと業務の分類に基づく信用インセンティブ・メカニズムを深化させ「誠実であればあるほど便利になる」という対外ビジネス環境を構築してきた。25年9月末現在、全国における利便化業務総額は約4.7兆米ドル(約743兆2110億円)に上った。

近年、クロスボーダー電子商取引が発展を続け、その取引は小額、高頻度、大量、オンライン化といった顕著な特徴を有し、従来のオフライン方式では決済ニーズを十分に満たすことができない。これに対し、国家外国為替管理局はテクノロジーを活用して、適格条件を満たす銀行と支払機関がオンラインで自動生成した注文、物流などの取引電子情報を一括審査し、関連企業に対し効率的で便利かつ安全な外貨資金決済サービスを提供することを支援している。「第14次五か年計画」以降、関連する銀行と支払機関がサービスを提供したクロスボーダー電子商取引の小規模事業者数は130万社を超え、関連業務取扱い件数は約56億件に達した。

■開放の進展、レベルの向上と枠組みの充実

ブラジル系の世界有数の商品パルプメーカー「スザノ(Suzano)」が25年10月17日「中国銀行間債券市場」で「パンダ債」の発行に成功、その規模は14億元(約317億6600万円)であった。

「パンダ債」とは、海外機関が中国国内で発行する人民元建て債券を指す。23年以来「パンダ債市場」の規模は拡大を続けている。関連機関の統計によれば、25年までに「パンダ債」の累積発行規模は1兆元(約22兆6900億円)を突破している。

「第14次五か年計画」期間中、外国為替分野における制度型開放は着実に進展し、「パンダ債」資金管理の整備を含む一連の政策措置が迅速に実施された。国家外国為替管理局は関係部門と連携して金融市場の改革開放を継続的かつ着実に推し進め、多様なチャネルと多層的な金融市場の「双方向開放構造」を絶えず改善してきた。現在、海外投資家による国内証券保有残高は「第14次五か年計画」初期に比べ6%増加している。

中国人民銀行(People's Bank of China、中央銀行)副総裁兼国家外国為替管理局局長の朱鶴新(Zhu Hexin)氏は「『第15次五か年計画』を見据え、我々は『より便利で、より開放的で、より安全で、よりスマートな』外国為替管理体制のメカニズムを整備し、中国式現代化の推進に向けて新しく大きな貢献を果たしていく」と述べている。(c)People’s Daily /AFPBB News