【2月9日  People’s Daily】2022年12月31日、中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は23年の新年賀詞の中で「中国宇宙ステーションが全面的に完成した」と厳かに宣言した。

それから現在まで、中国宇宙ステーションは安全で安定した運用を1000日以上続け、これまでに7組の宇宙飛行士が軌道上で生活し、作業を行い、200件を超える宇宙科学・応用プロジェクトを支えてきた。その成果は、自力更生と自主的な革新を軸とする中国の科学技術の力を雄弁に物語っている。

  
宇宙ステーション内部では、宇宙飛行士が船内中央にふわりと浮かび、手を伸ばしてつり輪をつかみ、軽やかに懸垂運動をする姿が日常的に見られる。ある時は自転車のペダルをこぎ、またある時は無重力対応のランニングマシンで走ったりしている。船内には専用の運動エリアが設けられており、筋力の維持や無重力環境による身体への影響を軽減する工夫がなされている。

この1000日余りの間に、宇宙ステーションの居住環境や設備は継続的に改良され、こうした運動機器をはじめとする各種装備が次々とステーションに送り届けられてきた。

宇宙ステーションの地上支援チームメンバーで中国航天科技集団第五研究院の研究者・湯溢(Tang Yi)氏は、現在の「宇宙の家(ステーション)」では最新世代の商用無線通信技術が採用され、船内はもちろん船外でも安定した無線通信が確保されていると説明する。

また、宇宙飛行士の睡眠環境にも細やかな配慮が施されている。湯氏は「より快適に、安心して眠れるよう、睡眠区画の扉を新しいものに交換した。新素材と新構造、改良された施錠設計で、遮音性・遮光性が大きく向上した」と話す。

宇宙ステーションには、もう一つの「特別なクルー」も存在する。人工知能言語モデル「悟空(Wukong)」、配管検査ロボット、ロボット助手「小航(Xiaohang)」などのAIシステムが、宇宙飛行士の軌道上の作業をスマートかつ専門的にサポートしている。
湯氏は次の1000日に向けた展望として「より先進的な科学技術を継続的に導入し、ステーションの知能化・自律化のレベルを高め、宇宙での生活と作業をさらに力強く支えていきたい」と話す。
 
宇宙船(神舟など)の建造はステーション(天宮)の建設のため、ステーション建設はその活用(科学実験や技術開発など)のためである。中国宇宙ステーションでは、毎日、様々な科学実験が行われている。

宇宙飛行士が手持ちカメラで撮影した映像には、発芽したシロイヌナズナの様子が映し出されている。これは微小重力環境下で植物細胞の構造や機能をどのように制御できるかを研究するためのものだ。

また、宇宙飛行士が実験用手袋をていねいに装着し、脳オルガノイド(脳類器官)チップに関する実験機材を慎重に取り出し、宇宙環境が人間の脳の健康に与える影響を探る研究を進めている。

中国科学院・宇宙応用工学技術センター応用弁公室の郭暁暁(Guo Xiaoxiao)副主任によれば、宇宙科学・応用プロジェクトは大きく三つに分類されるという。すなわち「既存の主要な科学分野」(宇宙生命科学・バイオテクノロジー、空間材料科学、微小重力基礎物理、微小重力流体物理、微小重力燃焼科学、空間新技術など)、「新興科学分野」(最先端、革新的科学研究)、そして「実用化を志向した搭載実験」(実用化や産業応用のための装置やサンプルの搭載・実証実験)の3つの分野である。

郭氏は「全体としてこれらの実験は非常に順調に進んでおり、基礎科学分野では研究者の予想を超える成果や、思いがけない発見も数多く生まれている」と述べている。

宇宙には中国の宇宙ステーションが存在するが、地上にも2つの「中国宇宙ステーション」がある。

1つは、宇宙ステーションと同一構成を持つ「電気系模擬宇宙ステーション」で、中国航天科技集団が開発したものだ。これは宇宙ステーションの設計・建造から軌道上の運用に至るまでを地上で検証するための施設で、実機の安全運用を支える重要な役割を担っている。
もう1つは「デジタル宇宙ステーション」で、ミッション前のシミュレーション、ミッション中のデジタル追随(デジタル・ツイン)、ミッション後の状態評価などを行う仮想検証環境を提供している。

この「宇宙・地上・デジタル」の三位一体の運用体制が、中国宇宙ステーションの長期にわたる安定運用を強力に支えている。

湯氏の説明によれば、支援チームは「365日×24時間」の年間を通した常時体制を維持し、データ監視、システム健全性の分析、重要ミッションの支援、トラブル対応などを担っている。 

次の1000日に向け、中国宇宙ステーションの「宇宙母港」としての役割を発揮することが、チームの重要な探求方向だとしている。

湯氏は「中国宇宙ステーションは資源が豊富で有人監視が行われ、知能化レベルが高いという独自の強みを有しており、標準化されたサービスモデルやインターフェースを策定し、さまざまな分野の宇宙機に対する軌道上のサービスを展開することで、より広範な発展の可能性がある」と期待を示している。(c)People’s Daily /AFPBB News