「テロリスト」は必ず死刑、イスラエル法案を国連専門家が非難
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【2月5日 AFP】国連の独立した人権専門家12人は4日、イスラエルのテロ行為に死刑を必ず科す(義務的死刑)刑法改正案について、生存権を侵害し、パレスチナ人を不当に差別する者だとして撤回を求めた。12人の中には、国連のフランチェスカ・アルバネーゼ特別報告者(パレスチナ自治区の人権担当)も含まれる。
イスラエル国会(クネセト)は昨年11月、極右イタマル・ベングビール国家治安相が推進する刑法改正案を第1読会で可決した。成立にはさらに第2読会、第3読会を通過する必要がある。
人権専門家12人は声明で、「義務的死刑は生存権に反する」と警告した。
「司法と検察の裁量を奪うことで、裁判所が酌量すべき情状を含む個々の状況を考慮し、犯した罪に見合った量刑を科すのを妨げる」と述べた。
イスラエルでは少数の犯罪について死刑が規定されているが、1962年にナチス・ドイツによるホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)の加害者であるアドルフ・アイヒマン以来執行されておらず、事実上の死刑廃止国となっている。
人権専門家によると、刑法改正案では、イスラエルが占領するパレスチナ自治区ヨルダン川西岸では、「たとえ故意でなくても、人の死を引き起こしたテロ行為に対しては、軍法に基づき軍事法廷が死刑を宣告する」。
一方、イスラエル国内と占領する東エルサレムでは、死刑は引き続きイスラエルの刑法に基づき、「イスラエル国民または住民の故意の殺害」に対してのみ科される。
■「曖昧で広範すぎる」
人権専門家らは、どちらの枠組みにおいても「イスラエル法におけるテロ行為の罪の定義が曖昧で広範すぎるものとなり、本当はテロ行為ではない行為も含まれる可能性がある上、義務的に死刑を科される」と警告した。
人権専門家らは、過失致死は国際法上、死刑が適用可能な「最も重大な」犯罪には含まれていないと強調。
「イスラエル軍が民間人を軍事法廷で裁く行為はほとんどの場合、国際人権法および国際人道法に基づく公正な裁判の基準を満たしていないため、その結果として死刑判決が下れば、生存権をさらに侵害することになる」「公正な裁判の否定もまた戦争犯罪だ」と述べた。
国連人権理事会の委任を受けているものの、国連を代表して発言するわけではない専門家らは、「この法案は、軍事法廷の単純多数決で死刑を科すことを可能にするもので事態を悪化させる」と警告した。
イスラム組織ハマスは昨年11月、この法案は「ならず者であるシオニスト占領軍の醜悪なファシズム的側面を体現しており、明らかな国際法違反だ」と述べた。
ラマラに拠点を置くパレスチナ自治政府(PA)の外務省は、この法案を「パレスチナ人に対するイスラエルの過激主義と犯罪行為のエスカレートの新たな形」と呼んだ。(c)AFP