MPV新型車が相次ぎ投入 競争は総力戦の様相に
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【2月16日 東方新報】2026年に向け、中国のMPV(多目的車)市場では新型車の投入が相次いでいる。北京商報(Beijing Business Today)の集計によると、すでに少なくとも6款以上の新型MPVが姿を見せ、価格、技術、利用シーンをめぐる本格的な競争が始まった。かつてはニッチとされたMPVが、いまや各社が力を注ぐ重点市場へと変化した背景には、家族構成の変化と新エネルギー技術の進展がある。
一方で、大型6人乗りSUVの台頭により、MPVの需要は一部で分散している。業界では、MPVは空間と快適性という強みをさらに強化し、家庭向けへの転換を加速させる必要があるとの見方が強い。あわせて、スマート化と電動化を軸にした差別化が不可欠とされる。
2026年市場は新車ラッシュで幕を開けた。新エネルギー系ブランドでは、零跑汽車(Leapmotor)の初MPV「D99」が2025年末に公開され、30万元(約671万8440円)クラスの旗艦MPVとして2026年の発売が見込まれている。増程版は大容量バッテリーを搭載し、高いコストパフォーマンスで家庭向け市場を狙う。1月には、AIを前面に打ち出したファミリーMPV「銀河V900」も正式発売され、広い荷室を売りにする。さらに、極狐N80KS(コードネーム)なども登場予定で、競争は一段と激しさを増している。
高価格帯では、嵐図汽車(Voyah)が50万元(約1119万7400円)級の旗艦MPVを投入予定で、L3相当の自動運転技術を特徴とする。華為技術(ファーウェイ、Huawei)の鴻蒙智行(HIMA)が展開する「智界V9」も春の発売を予定し、長い航続距離と高度な運転支援機能を武器に市場参入を図る。
販売動向を見ると、新エネルギーMPVが市場拡大の中心だ。2025年12月のMPV販売上位10車種のうち、新エネルギー車が7割を占め、魏牌(WEY)「高山」が唯一1万台超を記録した。合弁ブランドでは、トヨタ自動車(Toyota Motar)のグランビアやシエナ、ビュイックGL8が依然として上位を維持する一方、ホンダ(Honda)オデッセイやエリシオンは販売が落ち込み、存在感が薄れている。
需要構造も変化している。二人・三人目の子どもを持つ家庭の増加により、三世代での移動需要が拡大し、家庭向けMPVの販売比率は2025年に58%まで上昇した。ただし、走破性やデザイン性を重視する消費者が大型6人乗りSUVに流れる傾向も強まり、MPV市場は調整局面にある。
こうした中、各社は利用シーンに特化した装備で差別化を進めている。回転シートや車載酸素発生器、後席大型モニターなど、家族利用や長距離移動を意識した機能が打ち出されているほか、広い室内を生かし、キャンプなど多用途に対応する提案も増えている。
専門家は、今後MPV市場の集中度はさらに高まると見る。浙江大学(Zhejiang University)城市学院の林先平(Lin Xianping)氏は、2026年は新エネルギー主導のもと、高級化と高コスパ路線が並行し、競争は一層激しくなると指摘する。大型6人乗りSUVとの競合に対抗するには、スマート化と電動化で明確な強みを築き、家庭とビジネスの双方をカバーする商品設計と価格戦略が重要だという。
経済学者の盤和林(Pan Helin)氏も、MPVは多様化する家庭の利用シーンに応える車種だとし、「今後は競合が増える一方で需要も拡大する。勝敗を分けるのは、最終的にスマート化の完成度になる」との見方を示した。(c)東方新報/AFPBB News