人とロボットが“共演”する未来…韓国・全北大学が描くフィジカルAI革命
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【02月01日 KOREA WAVE】人が操縦レバーを握り、物をつかむ動作をすると、ロボットアームが実際に物をつかみ上げた。フィジカルAIのデータが学習される瞬間だった。韓国・全北大学で26日開所した「フィジカルAI実証ラボ」は、フィジカルAIの研究開発(R&D)から実際の製造工程での実証までを一体的に支援する施設だ。昨年8月に「フィジカルAI事前検証事業」の主管機関に選定された全北大学は、4カ月間にわたる技術検証の成果を公開した。
本事業の最終目標は、フィジカルAIを搭載した異種ロボット同士の協業によって工場全体を無人化することだ。全北大学を中心とする研究コンソーシアムは、自動車部品メーカーなどの需要企業とともに、技術の現場適用可能性を検討してきた。
特に、個々のロボットの多様な動作よりも、異なるロボット間の協業を最適化する点に重点を置いている。1体のヒューマノイドに多機能を担わせる現在の研究トレンドとは一線を画す取り組みだ。
事業に参加したイ・ジヒョン成均館大学校教授は「製造分野におけるAI転換(AX)は、投入に見合う生産性が確保されなければならない」とし、「動作の正確性、成功率、コスト効率を語れる必要がある」と強調した。
全北大学の実証ラボは、フィジカルAIの高度化を担う「イノベーションゾーン」と、開発されたモデルが実際の工程で正しく機能するかを検証する「プロダクションゾーン」の両方を備えている。自動車部品工場の一部をそのまま再現したプロダクションゾーンでは、ロボットアームがレール上の部品を次々とピックアップしていた。
イノベーションゾーンでは、基盤モデル、ワールドモデル、デジタルツインを活用したデータ収集など、フィジカルAI自体の性能向上に関する研究が進められている。
フィジカルAIの基盤となるファウンデーションモデルは、言語と視聴覚データを同時に扱う「ビジョン・ランゲージ・アクション(VLA)」モデルだ。ただし、巨大な単一モデルですべての動作を担うのではなく、溶接・組立・搬送など複数の動作を担当するAIモジュールを、オーケストレーション(統合制御)モデルが管理する構造になるという。
ロボットが多様な工程に対応できる汎用性を高めるためには、データ収集も重要だ。基本的にはセンサーやカメラを通じて人間の動作データを模倣するが、全北大学コンソーシアムはさらに仮想環境(デジタルツイン)を活用している。
韓国科学技術院(KAIST)のチャン・ヨンジェ教授は「新しい工程が登場すると、データがないためロボットは対応が難しい。しかし仮想環境で多様な作業やデータを学習したAIモデルには、人間のような直感が備わり、突発的状況への予測力が高まる」とし、「こうした強化学習によってフィジカルAIが成熟し、それを工場で実証することが製造AXの核心だ」と述べた。
実証ラボのプロダクションゾーンでは現在、現代自動車やテスラに納入されるステアリングホイールやルームミラーなどの部品の柔軟生産が実施されている。ロボットアーム、レール、搬送用ロボットなどを通じて、9つの工程の自動化が実証中だ。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News