【2月5日  People’s Daily】5つのコンテナに積まれた200台の「電動三輪車」が、江蘇省(Jiangsu)無錫市(Wuxi)錫山区から上海港に向かい、その後エクアドルへと出荷された。この貨物は、無錫のあるオートバイメーカーがエクアドル向けに初めて輸出したものだ。同社が生産する電動三輪車は、すでに40以上の国と地域に販売されており、2025年の輸出台数は約7万台に達し、前年同期比40%増となっている。
 
23年末、あるショート動画がソーシャルメディアで予想外の話題となった。その内容は中国人女性が、アメリカに住む義理の父親に電動三輪車をプレゼントし、その父親(老齢の米国人)が三輪車で町中を走り回る様子を撮影したものだ。三輪車のユニークなデザインと「バックします、ご注意ください」という警告音が、非常に高い注目を集めた。 

この動画がきっかけで、電動三輪車は海外で急速に人気を高めた。

北米のコミュニティから東南アジアのマーケット、南米の農園から中央アジアの田舎町まで、中国人の生活の中で「三蹦子」と呼ばれる中国製の電動三輪車は「中国製造(メードインチャイナ)」が世界に進出する新たな顔となっている。

江蘇省徐州市(Xuzhou)豊県は農業県で、一面に広がる果樹園はかつて地元住民の主な収入源だった。80年代、運搬の負担を軽減するため「足踏み式三輪車」が農家に普及し始めた。2000年頃には二輪の電動車が静かに台頭した。創意工夫を好む豊県の農民・康云清(Kang Yunqing)さんは多くの場所を駆け回り、モーター、バッテリー、コントローラーを揃え「人力三輪車」を「電動三輪車」に改造した。そして康さんは02年に、電動三輪車工場を設立した。それをきっかけに豊県の電動三輪車産業は次第に発展し、中国最大の電動三輪車生産拠点の一つに成長した。

現在、豊県は「縦方向にサプライチェーンを形成し、横方向に産業クラスターを構築する」という枠組みで、電動三輪車の産業・サプライチェーン体系を確立している。車体の組み立てから小型部品のマグネット鋼の生産まで、豊県には三輪車関連の車体や部品のメーカー1000社余りが集積し、国内電動三輪車市場の6割以上、モーター市場の95%以上のシェアを占め、製品は130以上の国と地域に輸出されている。

海外の消費者が中国製の電動三輪車を高く評価する理由の一つは、そのコストパフォーマンスの高さにある。「米国では多くの農場主が電動三輪車の購入に熱心だ。これまで彼らの輸送や移動手段はピックアップトラックだったが、その価格は一台2万ドル(約315万8600円)以上かかっていた。電動三輪車なら数千ドル(数十万円)で済む。短距離輸送や農具の運搬には使いやすく便利で、農場の作業の場面には適している。さらに、電動三輪車は電力が動力源のため、燃料コストがガソリン車よりもはるかに低く、環境に優しいというトレンドにも合致し、海外ユーザーから高い支持を得ている」、無錫のオートバイメーカーの総経理・倪暁峰(Ni Xiaofeng)氏は電動三輪車の人気の理由をこう説明する。

世界市場の多様なニーズに対し、中国の電動三輪車メーカーは高い柔軟性と革新力を発揮している。江蘇省の電動三輪車関連メーカーの責任者・劉銀虎(Liu Yinhu)氏は「すでに15の国と地域に輸出を展開し、防錆処理や航続距離など異なる市場に合わせたそれぞれの適応改造を行っている」と説明する。

中国製の電動三輪車は、表示の英語化から現地の安全基準への適合、熱帯地域向けの防錆処理から寒冷地向けのバッテリー保温まで、細部にわたる「中国製造」の心遣いが感じられる。
 
電動車は、三輪車以外にも、配達車、観光地用、清掃車、高圧洗浄車など、様々な特殊仕様の電動車両が、世界中の顧客の多様な使用シーンに応えている。
中国製の電動三輪車の海外展開は「中国製造」の変革とアップグレードの縮図である。中国製の電動三輪車は、コストパフォーマンスで市場を開拓し、イノベーションの力で発展を勝ち取り、三輪車という伝統的な製品に新しい活力を与えただけでなく、世界に中国の製造業の「革新力」を示すものとなっている。(c)People’s Daily /AFPBB News