米がアルバータ州分離独立運動に接触と報道 カーニー氏「カナダの主権尊重を」
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【1月30日 AFP】カナダのマーク・カーニー首相は29日、石油資源が豊富な西部アルバータ州の分離独立派が米国務省当局者と会合したとの報道を受け、米国が「カナダの主権を尊重する」ことを期待すると述べた。
アルバータ繁栄プロジェクト(APP)と呼ばれる団体は、アルバータ州の独立の是非を問う住民投票を実施するための署名集めを承認された。
住民投票は早ければ今秋にも実施される可能性があるが、現在の世論調査では否決される公算が大きい。
英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は、APPの指導部が4月以降、米首都ワシントンで国務省当局者と3回会合したと報じた。
これに先立ち米国のスコット・ベセント財務長官はアルバータ州の独立運動を支持するかのような発言をした。
ベセント氏は右派系放送局「リアル・アメリカズ・ボイス」に対し、「アルバータ州は米国にとって自然なパートナーだ。豊富な資源を有している。アルバータ州民は非常に独立心の強い人々だ」と語った。
カーニー氏は29日、カナダ各州の首相らと共に記者会見に臨んだ。その中には、右派の石油産業擁護者で、米フロリダ州にあるトランプ氏の私邸「マールアラーゴ」を訪問したこともあるアルバータ州のダニエル・スミス首相も含まれていた。
FTの報道とベセント氏の発言について問われると、カーニー氏は「米政権にはカナダの主権を尊重することを期待する」と述べた。
APP指導部との会合について問われると、国務省高官は「国務省は市民社会関係者と定期的に会合を行っている。このような定例会合ではよくあることだが、いかなる約束もしていない」と述べた。
カーニー氏によると、トランプ大統領は首脳会談で、アルバータ州の独立問題や、フランス語圏ケベック州の分離独立運動には一切言及していないという。
ケベック州での数十年にわたる高度に組織化された分離独立運動と異なり、アルバータ州の独立運動がこれまでカナダの統一を脅かしてきたことはない。
だが、ジャスティン・トルドー前首相の10年間の在任期間中、アルバータ州内で連邦政府に対する不満が高まった。
アルバータ州民は、気候変動に配慮するトルドー政権について、同州経済をけん引する石油産業に敵対的で、石油・天然ガス企業が求めるインフラ整備プロジェクトを阻止していると非難した。
スミス氏は29日、「米政権はカナダの主権を尊重するだろうと期待する」と述べ、住民投票への介入に関するあらゆる問題を米国側に提起すると述べた。
スミス氏は「統一カナダの枠内で主権を有するアルバータ州」への支持を改めて表明する一方、トルドー氏が州民の疎外感をあおっていると非難した。
スミス氏は記者団に対し、「ジャスティン・トルドー政権の10年間、私たちの州は容赦なく攻撃され、私たちの経済も容赦なく攻撃された」と語った。
スミス氏は、太平洋岸への新たな石油パイプライン建設計画にカーニー氏が協力すれば、独立機運の抑制に役立つ可能性があると示唆している。
計画されているパイプラインは、ブリティッシュコロンビア州を通過することになる物議を醸すプロジェクトであり、太平洋沿岸の先住民は建設を阻止すると表明している。
ブリティッシュコロンビア州のデイビッド・エビー首相は27日、米国務省当局者と会談した分離独立派を「反逆罪」を犯していると非難した。
イプソスが1月23日に実施した世論調査によると、アルバータ州民の28%が独立に賛成している。(c)AFP