チャットボットにイライラ、つながらない相談員…韓国で広がる“AI疲れ”
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【01月30日 KOREA WAVE】韓国で最近、ある男性が、あるファミリーレストランの商品券が使用できるかを確認するため、カスタマーセンターに問い合わせた。しかし、音声自動応答(ARS)とAIチャットボットを順に利用したものの、明確な回答は得られなかった。相談員と直接話すこともできず、問い合わせは「はっきりしない」という曖昧な返答で終わった。
これは特定の企業に限った事例ではない。通信、金融、流通、プラットフォーム業界を中心に、AIによる自動応答やチャットボットがカスタマーセンターの一次対応として広がっているが、苦情や問題解決には限界が見られる。
AIコールセンターは、料金照会や利用方法の案内といった定型的な問い合わせには効果的だ。問題は、質問が少し複雑になるだけで同じ案内が繰り返されたり、相談の流れが途切れてしまうケースが少なくない点にある。
「公共・金融コールセンターにおけるAI導入の現状と問題点、労働組合の課題」に関する研究によると、国民健康保険カスタマーセンターの相談員のうち78.1%が「AIチャットボットやコールボットのせいで、苛立ちや感情的な疲労を感じたことがある」と回答した。
内訳は「時々ある」が40.2%、「頻繁にある」が17.2%、「非常によくある」が20.7%で、多くの相談員がAI対応の過程で一定以上の感情的ストレスを経験していることが分かる。
AIを経由した後につながる相談は、すでに顧客の不満が蓄積された状態で始まる場合が多い。単純な問い合わせはAIに移行した一方で、複雑で神経質な問題が相談員に集中し、相談の難易度と感情労働の強度が高まっている。
相談員は、AIが処理できなかった問題を引き受ける「二次対応者」の役割を担うことになり、顧客の不満と感情的負担が相談員に集中している状況だ。顧客側も、ARSの段階が長くなり、相談員につながりにくくなっている点に不満を示している。
このため、AIを相談員の代替手段ではなく、単純・反復業務を補助するツールに限定し、判断が必要な案件には初期段階から人の相談員が介入するよう、相談体制を再設計すべきだとの指摘が出ている。AI導入の過程では、現場との協議や教育を並行して進め、相談員向けの標準ガイドや役割分担を明確にする必要がある。
業界関係者は「AIコールセンターの導入がコスト削減効果をもたらしたのは事実だが、自動化後に残る『未解決の体験』を減らせなければ、顧客の不満と相談員の感情労働が同時に蓄積される構造は続くだろう」とし、「技術の高度化だけでなく、導入方法や運営構造全体の見直しが必要だ」と述べた。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News