【三里河中国経済観察】遼寧、「評判の良いビジネス環境」へ総力
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【2月6日 CNS】「私は自分から企業家の微信(ウィーチャット、WeChat)を追加している。問題があれば直接私に伝えてほしい。企業の課題解決を手伝う。仲間も皆そうしてほしい」。遼寧省(Liaoning)委員会書記の許昆林(Xu Kunlin)氏は1月4日、2026年の年明け最初の会議でこう述べた。
この日、遼寧省のビジネス環境改善大会が瀋陽で開かれ、「企業活動がしやすい省として評価される省」を目指す方針を示した。
許氏は会議で、省全体に改善の徹底を求め、問題点を正面から指摘したうえで、ビジネス環境を損なう行為は厳しく取り締まり、徹底的に是正すると強調した。
会議では「遼寧省ビジネス環境の大幅改善行動方案(2026年版)」も公表され、遼寧がこれを「第15次五か年計画(十五五)」期における最重要かつ差し迫った戦略課題と位置づけていることが示された。内部の問題に自ら切り込み、制度と運用を立て直すという強い姿勢を打ち出した形だ。
遼寧省はここ数年、年明け最初の会議のテーマにビジネス環境の改善を据えてきた。許氏は「重視しすぎるということはない」と述べ、どの地域、どの分野、どの部門であっても、ビジネス環境を損なう人や事案があれば厳正に処分し、決して見逃さないとした。
東北大学(Northeastern University&)東北振興研究センター主任の劉海軍(Liu Haijun)氏は三里河中国経済観察に対し、今回の決意と取り組みの強さはこれまでに例がなく、遼寧の今後の発展に与える影響は大きいと語った。改善を戦略課題に引き上げ、振興と住民福祉に関わる「生命線」と位置づけた点に、遼寧の本気度が表れているという。
今回の大会の特徴は、「評判の良いビジネス環境の省」を目標として明確に掲げたことだ。事業者が実際に感じる使いやすさや、社会の評価をより重視していく姿勢を示している。会場では座席配置にも工夫があり、中心となる席は企業や個人事業主の代表に割り当てられていた。企業を尊重し、寄り添い、安心して事業ができる雰囲気をつくろうとする姿勢を象徴する演出だと受け止められている。
大会では、サービス意識の不足や、コネを優先する慣行などを含む8分野の目立つ問題を重点的に是正するとした。劉氏は、問題を直視し、発展過程にある深い矛盾まで含めて体系的に解決しようとする考え方が表れているとみる。
遼寧は慢性的な課題に対する具体策も示した。例えば、省・市レベルで紀検監察部門が主導する専門チームを設け、ビジネス環境に関する苦情を受け付け、通報があれば迅速に対応し、現場まで直結させる。また、不透明な慣行に切り込み、「手続きはコネに頼らず、権限行使で私利を図らない」状態を当たり前にしていくとした。
遼寧は、市場原理が働き、法に基づき、国際水準にも合致する一流のビジネス環境づくりを目標に掲げ、国際基準を意識しつつ先進地域を参考にしながら、政策・市場・行政サービス・法制度・人の往来や文化環境という「五つの環境」整備を加速させる。
劉氏は、ビジネス環境の改善によって、遼寧の資本、人材、技術を呼び込む力が高まり、対外的イメージの立て直しにもつながると指摘する。
大会は「誰もがビジネス環境の担い手であり、すべてがビジネス環境に関わる」と呼びかけた。劉氏は、遼寧が本気で改善を進めるには、省を挙げて足並みをそろえ、環境を一新して企業を呼び込む流れをつくる必要があると述べた。
2025年末には、中国通用技術集団(Genertec)、浙江吉利控股集団(Zhejiang Geely Holding Group)、理想汽車(Li Auto)などの著名企業や、30社余りの上場企業で構成される投資視察団が相次いで遼寧を訪れ、投資意欲を示した。ビジネス環境づくりに取り組む遼寧の強い姿勢が評価された形だ。
2026年の年明け、遼寧は再びビジネス環境改善を掲げて動き出した。新たな局面に向けた取り組みが始まっている。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News