【1月29日 AFP】デンマークの退役軍人らは28日、在デンマーク米大使館がアフガニスタンで戦死したデンマーク兵を追悼するため同大使館前に掲げられたデンマーク国旗を撤去したと非難した。

米国務省報道官はAFPに対し、「あるメディアが連絡してくるまで、なぜ大使館前の花壇にデンマーク国旗が設置されたのか知らなかった」と述べ、米大使館との調整なしに国旗が設置されたと説明した。

ドナルド・トランプ米大統領は先週のインタビューで、2001年9月11日の米同時多発攻撃を受けて始まったアフガン紛争で北大西洋条約機構(NATO)同盟諸国の部隊の役割を軽視し、米国以外のNATO加盟国の部隊は「少し後方、最前線から少し離れたところにとどまっていた」と発言。一部の同盟国の怒りを買った。

これを受けて27日、在デンマーク米大使館前の花壇には、アフガンで戦死したデンマーク兵44人の名前が書かれたデンマーク国旗44流が設置された。

デンマークメディアが公開した動画には、米大使館職員が28日朝に国旗を撤去する場面が映っている。

米大使館は当初、デンマークメディアに対し、国旗は大使館との調整なしに設置されたため撤去したと述べていた。

同大使館はAFPの取材に対し、「デモの後、大使館付近には旗、横断幕、プラカードなどの物品が放置されることがある」と述べ、通常は勤務終了時に警備員が片付けていると説明。

27日に設置された国旗は「この方針に従って」撤去されたと付け加えた。

だが、デンマークの政治家や退役軍人会はこの措置を非難した。

デンマーク退役軍人会のカーステン・ラスムセン会長はAFPに対し、「これは不必要な行動であり、多くのデンマーク国民が挑発行為と受け止めている」と主張。

多くのデンマーク国民はトランプ氏の発言を戦友への「裏切り」だと感じていると付け加えた。

■「全く受け入れられない」

自由党所属のコペンハーゲン市職員、イェンスクリスティアン・ルッケン氏は、米大使館の今回の行動と、アフガン紛争におけるデンマークの奮闘を疑問視することは「全く受け入れられない」と述べた。

ルッケン氏はテレビ局TV2に対し、「われわれはアフガンやイラクなどで米国と共に戦い、アフガンでは多くの兵士を失った。人口比で言えば、米国が失った兵士の数と変わらない」と語った。

撤去報道を受け、28日には新しい旗が設置された。

TV2によると、28日午後までに、米大使館前の花壇には数百流の小さなデンマーク国旗が設置された。

米大使館はAFPに対し、「その後設置された追加の旗は現在も設置されており、今後もそのまま維持される」と述べた。

ラスムセン氏は当初の旗撤去の動きについて、「米大使がデンマークで何が起きているかを十分に理解しているなら、旗の撤去が意味するところを理解できたはずだ」「旗の撤去が挑発行為と受け止められることを理解していたはずだ」と語った。

デンマーク退役軍人会は、31日に米大使館に向けての沈黙のデモ行進を計画している。(c)AFP