【2月2日  People’s Daily】1975年、秦嶺山脈の奥地で陝西省(Shaanxi)宝鶏市(Baoji)と四川省(Sichuan)成都市(Chengdu)を結ぶ「宝成線が全線の電化改造を完了し、中国初の電化鉄道が誕生した。これが中国鉄道の近代化の幕開けとなった。

25年、成都平原では、技術者たちが時速400キロの牽引給電システムの開発に全力を注ぎ、CR450型高速列車の商業運行に向けた準備を進めている。この列車は世界の高速鉄道の新たな商業運転最高速度の基準を打ち立てる見込みだ。

ゼロからのスタート、普通列車から高速列車へ、従来型からデジタル・スマート化へ、「電化」は中国鉄道の発展を観察する一つの視点となっている。データによると、24年末時点で全国の鉄道営業距離は16万2000キロに達し、そのうち電化鉄道の距離は12万キロを超え、電化率は75.8%に達した。

電化鉄道とは、電力を牽引動力として運行される鉄道を指す。高速鉄道も電化鉄道の一種だ。電化鉄道の核心的要素の一つが、電力供給、牽引用給電、通信、信号を主要な内容とする「四電システム」である。

内燃機関に依存する非電化鉄道と比較して、電化鉄道はより強力な動力を持つ。貨物輸送では、中国の現在の重載電化鉄道は単機の牽引重量が5000トンに達し、大秦鉄道では1万トン、2万トン級の重載列車の定常運転が実現している。旅客輸送では、16両編成の高速電車の牽引重量は約900トンに達する。

そして速度が速い。非電化運営時の宝成線では、列車の運行速度は時速20~25キロしかなかったが、現在では「復興号CR400型列車」の商業運転最高速度が時速350キロメートルに達している。また環境にも優しい。内燃機関車と比べ、電化鉄道の運行時は排気ガスや煤煙がなく、大気を汚染せず、騒音も比較的小さい。 

現在、中国の電化鉄道の総延長は世界一であり、保守・運用のシナリオも日増しに多様化している。中国は様々な重点プロジェクト建設を通じて、極寒、高温、高湿度、高海拔など多様な特殊環境条件に対応し、電化鉄道および高速鉄道建設の豊富な経験を蓄積し、その関連技術は世界をリードしている。

鉄道の電化とは、単に「電柱と電線」に過ぎず、技術的にはさほど驚くことではないと言う人もいる。

ところが実際はそうではない。例えば「架空電線方式」を例にとると、架線が高速鉄道列車の唯一の動力源であり、「生命線」に例えられ、高強度、高導電性、耐高温軟化性、耐摩耗性などの特性が必要とされる。

中国鉄道電化局集団北賽電工の張剣(Zhang Jian)技師長は「当初、中国で使用されていたのは銅マグネシウム合金線や銅錫合金線だったが、この種の架線の強度と導電性能は、時速350キロメートル以上の高速鉄道の運行要求に完全には対応できなかった。次世代の架線の研究開発は差し迫った課題だった」と説明する。

3年にわたる研究開発を経て、中国の技術者は世界で初めて、高強度・高導電性の銅クロムジルコニウム合金製の架線の工業化生産を実現した。発表によると、アップグレード後の架線は導電率が20%向上し、時速400キロの高速鉄道列車が安全、安定、低コストで運行することを可能にし、世界の時速350キロ以上の高強度・高導電性架線材料の空白を埋めた。

世界で最も繁忙な高速鉄道ネットワークとして、中国の高速鉄道架線は運行中に部品の経年劣化などが避けられない。以前は、架線の欠陥を判定するには、まず線路の写真を収集し、6年から8年の経験を持つ検査技師が肉眼で観察・分析しなければならなかった。

京滬高速鉄道の保守管理会社の張忠義(Zhang Zhongyi)総経理は「当時の作業量は非常に膨大だった。京滬高速鉄道では、検査技師チームは年間1400万枚以上の写真を肉眼で判別しなければならなかった」と話している。

関係機関は19年、「高速鉄道4C視覚知能分析システム」の開発に成功した。その仕組みは、まず人工知能システムが自動的に欠陥を識別し、その後人間が再確認するというものだ。張総経理は「このシステムは架線部品の緩み、欠落など1300種余りの危険・欠陥の高精度、高効率な検出を実現している」と説明する。このシステムは、従来の検査方式と比べ、有効な危険の発見数、全体の効率がいずれも大幅に向上したという。

中国鉄道は、ビッグデータ、5G、クラウドコンピューティング、ドローン、画像認識システム、知能化装備などの新技術を活用して「多分野統合型のスマート運用保守ビッグデータプラットフォーム」を構築した。これにより、牽引給電設備管理における保守・運用コストの20%削減、設備の大規模修理周期の20%延長、牽引給電設備の故障率の20%低減、架線部品の寿命の20%延長を実現している。

世界で最も海拔の高い電化鉄道であるチベット自治区(Tibet Autonomous Region)のラサ市(Lhasa)と林芝市(Nyingchi)を結ぶ「拉林鉄道(Lhasa-Nyingchi Railway)」から、累計輸送量が90億トンを超える重載鉄道の「大秦鉄道」、そして25年上半期に開通したばかりの設計速度時速350キロの「重慶(Chongqing)-アモイ高速鉄道」の重慶東から黔江までの区間に至るまで、中国鉄道の電化の進展は「中国製造」から「中国知造」への飛躍を反映しており、経済社会の発展と中国式現代化建設に力強い原動力を提供するものとなっている。(c)People’s Daily /AFPBB News