【1月28日 AFP】スペインの左派政権は27日、政令によって不法移民約50万人を合法化する計画を承認した。移民政策を厳格化している他の欧州諸国と逆行する動きだ。

エルマ・サイス包摂・社会保障・移民相は公共放送RTVEに対し、合法化されれば「スペイン国内のあらゆる業界、あらゆる地域」で働くことが可能になると述べ、移民の「プラスの影響」を称賛。

合法化の恩恵を受ける不法移民の人数について、「推定値だが、おそらく50万人程度になるだろう」と述べた。

サイス氏は27日の閣議後の記者会見で、「われわれは人権、社会統合、共存、そして経済成長と社会の結束の両立を基盤とした移民モデルを強化している」と述べた。

合法化の対象となるのは、スペインに少なくとも5か月間居住し、2025年12月31日までに国際保護を申請した不法移民。不法入国以外の犯罪歴がある者は対象外。合法化は、既にスペインに居住している申請者の子どもにも適用される。

申請期間は4月から6月末までとなる見通し。

左派・社会労働党主導の連立政権は議会で過半数を占めていないが、この措置は議会の議決を必要としない政令によって実施される。

保守と極右の野党は、この措置は不法移民の流入を助長するとして左派政権を激しく非難した。

中道右派・国民党のアルベルト・ヌニェス・フェイホー党首はX(旧ツイッター)で、この「ばかげた」計画は「スペインの公共サービスを崩壊させる」「社会労働党政権下のスペインでは、不法行為が報われる」と述べ、国民党が政権を握った際には移民政策を「徹底的に」改革すると表明した。

スペインのカトリック教会はこの動きを称賛し、「社会正義と社会認識の行為」だと称賛した。

移民受け入れを拡大するスペインの姿勢は、欧州連合(EU)全域で支持を伸ばす極右政党の圧力を受けて移民政策を厳格化する他の欧州諸国とは対照的だ。

シンクタンク「フンカス」によると、2025年1月初め時点で、スペインには不法移民約84万人が居住しており、その大半は中南米出身者となっている。

スペインは、貧困、紛争、迫害から逃れる不法移民が欧州に入る主要な玄関口の一つ。主にサハラ以南アフリカ出身の何万人もの人々が、アフリカ北西部沖のカナリア諸島に上陸している。

国立統計局の最新の統計によると、スペインの総人口約4940万人のうち、外国人住民が700万人以上を占める。(c)AFP