釜山の古里2号機(c)news1
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【01月27日 KOREA WAVE】再生可能エネルギー拡大が世界的潮流となる中、韓国では国民の約7割が「新規原発の建設」を支持している。背景には、景気低迷に伴う電気料金上昇への懸念や、人工知能(AI)・半導体といった将来の基幹産業を支える安定的な電力確保の必要性、さらに原発輸出国としての安全性への信頼があると分析されている。

21日に公表された世論調査の結果は、再生可能エネルギーの拡大と原発新設を対立する選択肢として捉えるものではなく、異なる政策課題が同時に反映されたものと解釈できる。エネルギー転換の中心が再生可能エネルギーである一方、景気減速局面で電力料金や供給の安定性に対する不安が高まり、原発への心理的受容度が上昇したとの見方だ。

特にAIや半導体産業の拡大による電力需要の急増が、世論形成に影響を与えたとの指摘が出ている。データセンターや先端製造業は常時大量の電力を必要とする構造を持ち、再生可能エネルギーの「間欠性」だけでは安定供給が難しいとの認識が広がっている。新規原発は再生可能エネルギーの代替ではなく、基幹電源を補完する選択肢として捉えられている。

海外でも同様の動きが見られる。再生可能エネルギー比率が高い欧州の一部諸国では、太陽光・風力の拡大と並行して原発を基幹電源として維持・拡大する戦略を採っている。スウェーデンは2030年代半ばの稼働を目標に大規模原発や小型モジュール炉(SMR)の建設を検討中で、フランスも原発を炭素中立戦略に組み込み投資を続けている。再生可能エネルギーと原発は対立するものではなく、電力の安定供給と脱炭素を同時に実現するための複合戦略と位置付けられている。

韓国では長年の原発運用経験と輸出実績が安全性への信頼につながっているとの見方がある。景気低迷とエネルギーコスト上昇が重なる中、「検証済み電源」への選好が強まった形だ。

新規原発を巡る議論は地域問題とも連動する。立地地域の反発という課題はあるものの、大規模投資と雇用創出を伴う事業であることから、地方消滅への対応策として評価する声もある。送電網整備を巡る対立や地域均衡発展の議論と相まって、原発問題はエネルギー政策を超え、産業・地域政策全般へと広がりつつある。

イ・ジェミョン(李在明)大統領は、原発をイデオロギーの問題として扱うべきではないとの立場を示している。AI・半導体・電気自動車の普及で電力需要が増大する中、基幹電源の確保を総合的に判断すべきだと強調した。また、政権交代のたびに国家計画を覆すことは政策の予見可能性を損なうとして、電力需給基本計画に基づく政策の継続性にも言及した。

一方、今回の調査が18歳以上の成人を対象としており、気候危機の影響を大きく受ける将来世代である児童・青少年の認識が反映されていない点は課題として残る。

韓国ギャラップの調査では、新規原発推進に「賛成」が69.6%、「中断すべきだ」は22.5%だった。リアルメーター調査でも賛成61.9%、中断30.8%と、いずれも推進意見が過半数を占めた。もっとも、今後最も拡大が必要な発電源としては再生可能エネルギーが最優先に挙げられている。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News