【1月29日  People’s Daily】北は中国雲南省(Yunnan)昆明市(Kunming)から南はラオス・ヴィエンチャンまで、全長1035キロの中国・ラオス鉄道を列車が疾走し、中国とASEANを結ぶ「黄金の大動脈」となり、周辺地域の経済発展を牽引している。

2021年12月の開通以来、貨物輸送量は3年連続で二桁の成長を達成し、出入国旅客数は1日延べ300人から最大延べ1300人まで増加した。25年8月末現在、中国・ラオス鉄道の累計貨物輸送量は6650万トンを超え、国境を越える輸送商品の種類は3000種類以上に達した。

毎年のドリアン輸送シーズンは張徳歓(Zhang Dehuan)さんにとって最も忙しい数か月だ。雲南省で中国・ラオス鉄道の越境貨物輸送に従事する彼は、この路線がここまで人気になるとは思っていなかった。

張さんは、22年末にビジネス視察団に同行してラオスを訪れたことをきっかけに、中国・ラオス鉄道の貨物市場に将来性を見出した。鉄道部門から新型冷蔵コンテナ100個を一度にリースし、中国・ラオス鉄道越境貨物輸送業に参入した。

しかし、最初は順調ではなかった。昆明の果物卸売市場で自社の業務を宣伝しても、何日も忙しく動き回っても、一件の契約も結べなかった。

「運賃の問題じゃない」、あるドリアン輸入業者の言葉で、張さんははっと気が付いた。ドリアンは鮮度保持期間が短く、輸送条件が厳しい。コンテナ1本分のドリアンの商品価値は100万元(約2243万円)にもなるが、輸送費の方は4万元(約89万7200円)だ。輸送時の品質保証ができなければ、輸送費が多少節約できるからといって、100万元もの商品の損失リスクを冒す者はいなかったのだ。

張さんは「荷主が誰もリスクを負おうとしないなら、自分がドリアンを仕入れて、荷主に実際の輸送の品質を見せて信用させよう」と決めた。

ドリアンが出発すると、張さんはほぼ3、4時間ごとにコンテナ列車の走行位置と温度を確認しなければならなかった。26時間後、中国・ラオス鉄道の新型冷蔵コンテナで輸送されたドリアンは無事昆明に到着した。ドリアンは駆けつけた業者たちによってすぐに買い占められた。ある荷主はその場で、コンテナ6本分のドリアンを張さんの会社に輸送依頼すると決定した。
 
中国・ラオス鉄道開通前は、ドリアンの越境輸送は主にトラック輸送に依存しており、時間がかかるだけでなく、ドリアンの出荷時期は雨季と重なるため、地滑りや落石で道路が寸断されやすく、渋滞などの問題にも直面していた。現在では、位置監視やリモート温度調節が可能な新型の鉄道用冷蔵コンテナにより、輸送費に大きな差がない中で、輸送時間が大幅に短縮され、商品損耗率も大きく低下している。

「中国・ラオス鉄道の冷蔵輸送はドリアンに最適」という評判は、瞬く間に雲南のドリアン貿易業界に広まった。張さんの会社は忙しくなり、23年の中国・ラオス鉄道の輸出入貨物量は421万7700トンに達し、前年比約95%増加となった。

生鮮食品が集中して出回ることは、税関の通関能力にも試練となった。雲南省シーサンパンナ・タイ族自治州(Xishuangbanna)モンラ(Mengla)税関・鉄道通関検査場の監督管理科の蘇明(Su Ming)科長は「輸送能力向上に貢献するため、税関は鉄道前倒し申告方式を導入し、貨物の通関時間を2時間から5時間程度にまで短縮した」と説明する。企業が前もって申告することで、貨物が入境する前に税関は通関データを受信し、入国後の貨物検査が必要なければ、停留させずに通関できるという。
同時に、鉄道部門は国際貨物列車「メコン急行」の運行計画を策定し、運行頻度を1日最大6便まで増便した。現在、中国・ラオス鉄道では1日18本の越境貨物列車が運行され、輸送力は大きく向上している。 

昆明税関の統計によると、25年上半期の雲南省と東南アジア諸国連合(ASEAN)間の農産品輸出入額は186億2000万元(約4176億4660万円)に達し、前年同期比23.5%増加した。そのうち、鉄道貨物の半分以上が中国・ラオス鉄道で輸送されている。
  
「貨物輸送が好調なのは、国内需要が旺盛だからだ」、中国鉄路昆明局集団の貨物部門の責任者・朱江(Zhu Jiang)氏はこう話す。ドリアンやマンゴスチンなど東南アジア産フルーツが大衆に愛されていること、さらに中国・ラオス鉄道の輸送能力が向上したことで、海外での農産品栽培、輸送などの関連産業も急速に発展している。
タイなどでは近年、ドリアンの大規模な増産が行われており、輸出ドリアンの9割以上が中国市場向けとなっている。25年8月末現在、中国・ラオス鉄道によるドリアン輸送量は15万5000トンを突破し、前年同期比90%以上増加した。

同時に、雲南省の野菜も中国・ラオス鉄道を通じて、ラオス・ヴィエンチャンのスーパーマーケットの棚に並べられている。朱氏の話によれば、雲南の野菜は26時間でヴィエンチャンに到着し、翌日にはタイへ転送でき、トラック輸送と比べて時間をほぼ半分に節約できるという。

野菜や果物に加え、中国産の衣類、新エネルギー車、太陽光発電製品も同様に東南アジアで人気を博している。現在、中国・ラオス鉄道による越境輸送商品の種類は、開通初期の500種類余りから現在では3000種類余りに拡大し、雲南省シーサンパンナ・タイ族自治州の磨憨(Mohan)鉄道通関検査場の通関効率は、全国の鉄道通関検査場でトップクラスにあり、すでにASEANをつなぐ最大の鉄道通関検査場となっている。

「通路経済、国境経済から産業経済へ、中国・ラオス鉄道の沿線は変わりつつある」、昆明理工大学(Kunming University of Science and Technology)ASEAN研究センターの熊彬(Xiong Bin)主任はこう強調する。中国のモーハン、ラオスのボーテン(Boten)、ヴィエンチャンなどは、伝統的な農業の町から交通のハブ都市へと変貌しつつある。「中国・ラオス・モーハン-ボーテン経済協力区」にはすでに300社以上の企業が進出し、コールドチェーン倉庫、選別加工、越境電子商取引などの上流・下流産業が集積している。二国間を結ぶことからインドシナ半島の相互連結へ、中国・ラオス鉄道の潜在力はなおも発揮され続けている。(c)People’s Daily /AFPBB News