【1月28日  People’s Daily】ハミ市(Hami)は中国・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)の東部に位置し、かつてシルクロードの要衝として「西域の玄関口」と称されてきた。前漢時代に張騫が初めて西域へ使節として赴いた際、ハミは重要な経由地となった。彼が切り開いた古代のシルクロードは、異なる地域の文化交流を促進するとともに、千年を超える共通の味覚の記憶を育み、知らず知らずのうちに「ハミ」を「甘い瓜」の代名詞とした。

今日のハミでは、毎年開催される「ハミ瓜フェスティバル」が甘美な祭典となっている。そしてハミから西へ進むと、古代シルクロードのもう一つの重要な東西文化の交差点・ウズベキスタンのヒヴァ市にたどり着く。奇しくもヒヴァの旧市街でも、にぎやかな「メロン祭り」が行われている。「ハミ瓜フェスティバル」と「メロン祭り」が互いに呼応し合い、人々の心をつなぎ、産業を結びつける「甘い絆」となりつつある。

夏のハミ市花園郷のハミ瓜畑は大忙しだ。「ハミ佳祥果品栽培農民専業合作社」の作業員たちが畑の中を駆け回り、収穫、選別、箱詰めを急ぎ、新鮮なハミ瓜が次々に旅立とうとしている。

合作社の責任者・劉瑞祥(Liu Ruixiang)さんの話によると、2025年夏までに1880トンのハミ瓜を輸出し、一日の最大輸出量は80トンを超えた」と説明した。
ハミは温帯大陸性気候に属し、日照時間が長く昼夜の温度差が大きい。昼間の強い光合成で瓜が十分に栄養を蓄え、夜間の低温環境が糖分の消費を効果的に抑制する。
ハミ瓜の栽培と流通は、古代シルクロードと深く結びついている。まさにこのシルクロードを通じて、西域のブドウ、ザクロ、レンゲ草などの産物が東へ移植され、ハミ瓜の栽培技術もまた、土壌や気候が似た甘粛省(Gansu)の敦煌(Dunhuang)へ伝わり、さらに中原へと広がっていった。
 
現在、ハミ瓜はハミの経済発展を牽引し、地域の住民を豊かにする基幹産業となっている。また同時に、対外交流・協力が、ハミ瓜の育種技術の継続的な進歩をさらに推し進める力となっている。
新疆農業科学院ハミ瓜研究センターの張永兵(Zhang Yongbin)研究員は「我々はタジキスタン、キルギスなど近隣諸国とメロン科作物の種質資源を互いに取り入れ合い、国をまたいだメロン科作物の遺伝的改良と品種更新を推進し、新しい品種の産業への貢献度を高めている」と話す。張氏によると、中央アジア諸国も中国で開発された「金竜」「金鳳凰」などの厚皮メロン品種を導入し、試験栽培を行っているという。

25年7月に開催された「第19回ハミ瓜フェスティバル」では、古今をまたぐ270品種のハミ瓜が一堂に会し、展示ブースの前は人だかりができ、人気品種は一玉も手に入らないほどだった。
地元は30年以上にわたり、ハミ瓜を単なる農産物から、地域文化、産業活力、国際的視野を担うIPへと育て上げようと努めてきた。93年に始まった「ハミ瓜フェスティバル」が、今ではハミで最もにぎやかな「甘い祭り」となっている。

中国と周辺国との国際交流は、悠久の歴史的な都市・ハミの文化的魅力をさらに高めている。25年7月「第7回中国新疆国際民族舞踊フェスティバル」が開催された際に、ハミはサブ会場としてタジキスタンの「ローラ国家功労歌舞団」を迎え、華やかな衣装のダンサーたちが魅力満点のタジキスタン舞踊で民族的な風情を披露すると、会場は割れんばかりの拍手に包まれた。歌舞団のスマトゥロ・ファイズゥロエフ団長は「ハミの観客の熱意を目の当たりにして、芸術に国境はないことを実感した」と、感動をそう語った。

ハミの文化と観光の融合による「甘い効果」は持続的に発揮されている。25年上半期、ハミの累計観光客数は延べ985万3400人で、前年同期比16.46%増となり、観光消費額は累計63億7900万元(約1428億8960万円)、同じく23.22%増となった。

「ここのメロンは、私の故郷のものと同じくらい甘い」、ウズべキスタンの「シルクロード新聞網」のアサベク・ボボヨノフ(Asabek Boboyonov)副編集長はハミ瓜の感想をこう語った。彼は25年6月、キルギス、パキスタンなど10か国のメディアの記者団と共にハミを訪れ、スマート農業、郷村振興などをテーマにした共同取材を行った。伊州区(Yizhou)花園郷カリタリ村の100ムー(約6.7ヘクタール)におよぶハミ瓜畑で、彼はとても熱心に栽培技術と販売状況を詳細に質問していた。

メロン科作物は中央アジア地域において、甘いフルーツであるだけでなく、豊作、もてなしの心、民族の誇りの象徴でもある。古来よりウズベキスタンはメロンの産地として知られる。毎年8月にはヒヴァ旧市街で「メロン祭り」が開催され、観光客が押し寄せ大いににぎわう。
ボボヨノフ氏は、ハミとウズベキスタンはともにシルクロードの沿線に位置し、歴史文化と経済交流の縁が非常に深く、ウズベキスタンの「メロン祭り」とハミの「ハミ瓜フェスティバル」は、双方の交流と協力の重要なプラットフォームとなり得ると語っている。

ハミ市伊州区党委員会宣伝部の王林(Wang Lin)氏は「中国の『ハミ瓜フェスティバルと中央アジア諸国の『メロン祭り』は、ともに『甘い果実』を中心に豊作を祝い、喜びを分かち合うもので、これは中国と近隣諸国が文化的に親密であることを生き生きと体現している」と話す。

歴史的に見ると、シルクロードの交易往来と文化的な融合により、類似した産物や風習が中国と中央アジア諸国に根付いたと言える。今日では、「一帯一路(Belt and Road)」共同建設の推進により、共通の「メロン祭りの文化」が中国と近隣諸国の民心を通わせる「甘い絆」となっている。(c)People’s Daily /AFPBB News