【1月25日 AFP】米国のドナルド・トランプ大統領は24日、カナダに対し、中国との貿易協定を結んだ場合、カナダからの全輸入品に対して100%の関税を課すと警告した。

先週、北京を訪問したカナダのマーク・カーニー首相は、中国との「新たな戦略的パートナーシップ」を称賛し、「初期段階だが画期的な貿易協定」による関税削減を発表した。

しかし、トランプ氏はその合意が実現すれば深刻な結果を招くと警告。自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で、カーニー氏が「中国が米国に商品を送り込むためにカナダを『中継港』にできると思っているなら、大間違いだ」と投稿した。

「中国はカナダを食い尽くし、完全に飲み込み、企業、社会のつながり、生活様式までも破壊するだろう」「もしカナダが中国と取引を結べば、米国に入ってくるすべてのカナダ製品に対して即座に100%の関税を課すことになる」

カナダの対米貿易担当相を務めるドミニク・ルブラン氏は、「中国との自由貿易協定を追求しているわけではない。今回達成されたのは、いくつかの重要な関税問題の解決だ」とX(旧ツイッター)に投稿し、トランプ氏に反論している。

トランプ氏が大統領に復帰したこの1年で米国と隣国カナダの関係には摩擦が生じており、貿易をめぐる対立に加え、カーニー氏が米国主導の世界秩序の「破裂」が生じていると非難するなど、緊張が続いている。

カーニー氏は先週スイス東部ダボスで開催された世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で、米国主導の世界統治システムが、大国間の競争とルールに基づく秩序の「衰退」を特徴とする「破裂」に直面していると率直に語り、国際的な注目を集めた。この発言では名指しこそしなかったものの、国際情勢に混乱をもたらすトランプ氏の影響を示唆したものと広く受け止められた。

トランプ氏はその翌日、自身の演説でカーニー氏に反撃し、世界の紛争解決を目的とする自身の「平和評議会」へのカナダ首相の招待を撤回。さらに「カナダが存続できているのは米国のおかげだ」と扇動的な発言をした。

これに対してカーニー氏は、「カナダが存続できているのは米国のおかげではない。カナダが繁栄しているのは、私たちがカナダ人であるからだ」と反論したものの、米国との間の「素晴らしいパートナーシップ」を称賛した。

トランプ氏は、カナダに加えてデンマーク自治領グリーンランドや南米ベネズエラが星条旗で覆われた地図の画像をソーシャルメディアに投稿。また、カナダが米国の51番目の州になるべきとの主張からカーニー氏を「知事」と呼んで皮肉っている。(c)AFP