【2月2日 CNS】2026年の元旦を前に、中国の首都・北京市では主要な博物館が初めて横断的に連携し、「博物館で年越しの夜」イベントを実施した。40館以上が年越し企画や延長開館を行い、そのうち20館以上は1月1日未明まで開館し、来館者とともに2026年の到来を迎えた。

主催者によると、北京天文館(Beijing Planetarium)や北京オリンピック博物館(Beijing Olympic Museum)などでは、延長開館の時間帯に合わせて参加型の特別プログラムが実施された。周口店北京人遺址博物館(Zhoukoudian Site Museum)は「博物館に泊まる」企画を行い、白塔寺は伝統的な民族楽器と西洋楽器の演奏家を招いてコンサートを開いた。中国の代表的画家・徐悲鴻(Xu Beihong)の記念館は年越しの夜に新作のミュージアムグッズを発表し、来館者とともに新年を迎えたほか、徐悲鴻の代表作『奔馬』をモチーフにしたチョコレートの実演制作や、新作のラテアートコーヒーを提供した。智化寺も年越しの夜に智化寺の「天馬」をかたどった琉璃風デザインの冷蔵庫マグネットなどの新商品を打ち出した。

複数の博物館は、地域の交流拠点としての役割を意識し、近隣のコミュニティと連動して、家族連れや親子を中心とした年越しイベントを企画・実施した。北京汽車博物館(Beijing Auto Museum)、盧溝橋歴史博物館、北京考古博物館(Chinese Archaeological Museum)の大葆台遺址館区と遼金城垣遺址館区、北京古代建築博物館などは、周辺地域と協力して延長開館の年越し企画を行った。

今回の「博物館で年越しの夜」は、北京が年末年始に行った「博物館でお正月」関連イベントの一環として実施された。元旦から春節(旧正月、Lunar New Year)にかけては、年中行事や馬文化をテーマにした8つの展示と20件以上の注目展のほか、春節をテーマにした文化イベント70件、さらにミュージアムグッズの新作発表や割引など10件以上の企画が実施された。

近年、中国では博物館・美術館ブームが続き、年越しや新年のイベントを文化施設で楽しむスタイルが、特に若者の間で新しい年中行事として定着しつつある。SNSで話題になることも多く、「博物館の新しい楽しみ方」として親しまれ、若い世代が博物館に足を運ぶきっかけにもなった。日常とは異なる空間で新年を迎えることで、「特別感」も人気の理由になった。

その象徴的な例として、昨年12月31日の年越しの夜、上海博物館(Shanghai Museum)は「神々のパーティー――古代エジプト文明展・年越し特別ナイト」というイベントを開催した。スタッフがバステト、ホルス、ハトホルなど古代エジプトの神々に扮して館内を巡り、各展示室で立ち止まるたびに、「祭司」役が儀式を思わせる演出で神々を元の場所へ戻す場面が披露された。

中庭では「大祭司」役がDJとして登場し、現代のビートを取り入れたエジプト風の音楽で会場を盛り上げ、観客はリズムに合わせて踊りながら「神々のパーティー」に参加した。来館者には「エジプト風」の服装が呼びかけられ、館長の褚暁波(Chu Xiaobo)氏も自らコスプレに加わり、ファラオ姿で若者と記念撮影を行った。

こうした「博物館+パーティー」は海外の有名博物館でも一般的だ。ロンドン自然史博物館(London's Natural History Museum)は年越しイベントを長年続けており、人気企画の一つが、大ホールの巨大なシロナガスクジラ骨格標本の下でヘッドホンを付けて踊る「サイレント・ディスコ」だ。米国メトロポリタン美術館(Metropolitan Museum of Art in New York)が毎年5月に開くファッションの祭典「メット・ガラ(Met Gala)」も、世界のファッション界を代表するイベントとして知られている。

統計によると、2025年の春節期間中、中国本土の博物館の来館者数は延べ7264.87万人に達し、1日平均でも延べ1000万人を超えた。展示を見学するだけでなく、さまざまな文化イベントを体験し、歴史に触れながら年越しの高揚感まで味わう――文化施設で新年を迎える過ごし方は、中国の若者の間で確かな選択肢として根付きつつある。(c)CNS/JCM/AFPBB News