「カナダの存続は米国のおかげではない」カーニー氏、トランプ氏に反論
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【1月23日 AFP】カナダのマーク・カーニー首相は22日、スイス東部ダボスで開催された世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)でドナルド・トランプ米大統領が「カナダが存続できているのは米国のおかげだ」と扇動的な発言をしたことに反論した。
カーニー氏は、国会召集に先立ちケベック市で行った国民向け演説で、「カナダが存続できているのは米国のおかげではない。カナダが繁栄しているのは、私たちがカナダ人であるからだ」と述べ、米国との間の「素晴らしいパートナーシップ」を称賛した。
カーニー氏は20日、ダボス会議で米国主導の世界統治システムが、大国間の競争とルールに基づく秩序の「衰退」を特徴とする「破裂」に直面していると率直に語り、スタンディングオベーションを受けた。
カーニー氏は昨年カナダ政界入りして以来、世界は「プレ・トランプ(ドナルド・トランプ政権以前)」の正常な状態には戻らないと繰り返し警告してきた。
20日の演説でこのメッセージを改めて強調し、トランプ氏の名前こそ挙げなかったが、同氏が世界情勢に及ぼす破壊的な影響力に言及したものと広く受け止められた。
カーニー氏はダボス会議で、「米国の覇権」時代で繁栄してきたカナダのような中堅国は、新たな現実が到来したことを認識し、「服従」しても大国の侵略を免れることはできないと訴えた。
トランプ大統領はこれに憤慨し、翌日の演説でカーニー氏を嘲笑した。
トランプ氏は21日、「きのう、カナダ首相の発言を見たが、彼はあまり感謝していなかった」「カナダが存続できているのは米国のおかげだ。マーク、次に発言するときは、このことを覚えておくことだ」と述べた。
カーニー氏は22日の国内向けの演説で、カナダは「民主主義の衰退」の時代に模範となるべきだと主張。
「カナダは世界のすべての問題を解決することはできないが、別の道があり、歴史の流れが権威主義と排他主義へとゆがめられるべく運命づけられているわけではないことを示すことはできる」と述べた。
さらに、カナダは世界関係の不安定な状況について「幻想」を抱いていないとして、「世界は分断を深めている。かつての同盟関係は再定義され、場合によっては崩壊している」と述べた。
トランプ氏はカナダに対しても繰り返し併合すると脅迫しており、今週はソーシャルメディアに、カナダ、デンマーク自治領グリーンランド、南米ベネズエラが米国旗で覆われた地図の画像を投稿した。(c)AFP