世界は「水破産」の時代に突入 国連大学が警鐘
このニュースをシェア
【1月21日 AFP】国連大学水・環境・保健研究所は20日、川、湖、地下水が自然の回復速度を超える速さで枯渇し、世界が「地球規模の水破産」の時代に突入しているとする報告書を発表した。
同研究所は、数十年にわたる過剰利用、汚染、環境破壊、そして気候変動の圧力が、多くの水資源システムを回復不可能な状態に追い込んでおり、新たな分類が必要になったと主張している。
報告書は「水ストレスや水危機という表現は、世界の新たな水の現実を十分に説明するものではなくなった」と指摘。これらの用語は「回避可能な未来への警告」として使われていたが、世界はすでに「新たな段階」に突入していると説明している。
報告書は代替用語として「水破産」を提案。これは、長期的な水利用が供給を上回り、自然に深刻な損害を与え、現実的に以前の水準に戻すことができない状態を指す。
この現象は、大きな湖の縮小や、主要な河川が海に到達できない時期があるといった事例の増加に反映されていると報告書は指摘している。
過去50年で消失した湿地の面積は約4億1000万ヘクタールで、ほぼ欧州連合(EU)の総面積に相当する。
地下水の枯渇も「水破産」の兆候の一つだ。
飲料水やかんがいに使用される主要な帯水層の約70%が長期的な減少を示しており、需要が供給を上回る「デイ・ゼロ」危機が増加している。これは、この新たな現実の「都市的な側面」を表している。
気候変動は問題をさらに悪化させており、1970年以降、世界の氷河質量の30%以上が失われ、数億人が依存する季節的な融雪水が減少している。
■「正直になろう」
国連大学水・環境・保健研究所の所長で報告書の著者であるカーベ・マダーニ氏は、この影響は人が住むすべての大陸で見られるが、すべての国が個別に「水破産」状態にあるわけではないとAFPに語った。
マダーニ氏は、この現象は「警告」であり、政策の再考が不可欠だと指摘。水不足を一時的なものとして捉えるのではなく、政府は「正直」になり、「今日、破産を申請するべきだ。遅らせるべきではない」と述べ、「さらなる不可逆的な損害を引き起こす前に、今日、この苦い現実を認識しよう」と呼びかけた。(c)AFP