【1月27日 CNS】2026年の米国国際コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(International Consumer Electronics ShowCES)では、星動紀元(Robotera)の星動Q5が来場者と「ハートポーズ」で交流し、銀河通用ロボット(Galbot)のGalbot G1は荷物の仕分けや搬送を手際よくこなして注目を集めた。中国発の車輪型ヒューマノイドロボットが国際舞台で存在感を示し、実用化が進んでいることを印象づけた。

車輪型は、ヒューマノイドロボットの有力な方向性の一つになりつつある。不完全な集計ではあるが、2025年12月15日時点で世界では新型ヒューマノイドロボットが170機種以上発表され、そのうち車輪型は75機種を占めた。車輪式シャーシによる機動性と、人型の腕や手による作業性を組み合わせ、自律走行、周辺環境の認識、物体の把持・操作などが可能で、サービス分野や製造現場での活用が期待されている。

中国の車輪型ヒューマノイド産業はプレイヤーが多く、構図も多彩だ。銀河通用ロボットのように車輪型に注力して商用化を進める企業がある一方、宇樹科技(Unitree Robotics)や智元機器人(Agibot)は二足歩行型で培った技術を基に車輪型へも展開し、技術力と量産能力で世界の上位グループに入ったとされる。広州汽車集団(Guangzhou Automobile Group)などの自動車メーカーも参入し、車輪と脚を切り替えられるタイプの製品を打ち出している。上場企業の優必選科技(UBTech Robotics)や、商用化の進展が速い銀河通用ロボットなどは、投資家の関心も集めている。

製品面では、実用性と知能の底上げが進む。優必選が2025年に発表したCruzr S2は、身長176センチ、体重185キロで、44自由度を備え、移動速度は毎秒2メートルに達する。自社開発の協働型インテリジェントエージェント「Co-Agent」と第4世代の巧緻ハンドを搭載し、仕分けや部品組み立てなどをミリ単位の精度でこなせるという。受動型のステレオ視覚システムにより、傾斜の異なる路面でも安定して走行し、段差などがあれば自律的に回避できるとする。

出荷データでも中国勢の強さが目立つ。市場分析機関オムディア(Omdia)の報告によると、2025年の智元機器人は年間出荷が5100台を超え、世界シェア39%で首位となた。宇樹科技と優必選はそれぞれ4200台、1000台を出荷し、シェアは32%、7%で、世界2位と3位に位置づけられた。普智ロボットの蔡志昊(Cai Zhihao)副総経理によれば、同社の累計出荷200台のうち車輪型が60%(ロボット・瓦力など)、二足型が40%を占める。車輪型は主に産業用途で、価格は40万〜45万元(約909万5080〜1023万1965円)と、二足型(50万〜60万元<約1136万8850〜1364万2620円>)より抑えられているという。

国泰海通証券は、車輪型は訓練の難度が比較的低く、コストも抑えやすいほか、航続時間でも有利なため、小売や工場などで先行して商用化が進む可能性があると分析する。智元機器人は2025年10月、新世代の産業用インタラクティブエンボディド作業ロボット「智元精霊G2」(精霊G2)を発表し、前世代よりも動きの柔軟性と対話性能を高めた。初期ロットは自動車部品工場での導入が進んでいるという。

業界では、「具身型AI(エンボディド・インテリジェンス)」がAIの重要な進化の方向性になるという見方がある。これは、現実世界で物理的な身体を通じて「見る」「つかむ」「動く」といった行動を伴い、自ら課題を解決する知能システムを指す。北京市、深セン市(Shenzhen)、上海市、杭州市(Hangzhou)などは技術、産業基盤、エコシステムの面で総合力があり、中国の車輪型ヒューマノイドの発展を支えるとされる。

今後は複数の形態のロボットが併存して進む可能性がある。ただし、車輪型が大規模に普及するには、知覚の高度化、意味理解、複雑環境での判断などでさらなる前進が求められる。車輪構造はコストや航続で強みがある一方、長時間かつ高負荷で稼働させるには、電池のエネルギー密度や消費電力の管理などにも高い水準が求められる。技術開発に加え、産業エコシステムの育成や政策面の支援も、息の長い取り組みが欠かせない。(c)CNS/JCM/AFPBB News