快適な都市づくり、スロー交通システムを整備・中国
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【1月24日 People’s Daily】街を散策して心身をリラックス、レジャーと健康づくりの両立。自転車で走る、スムーズに移動、環境に優しくエコな移動。
「スロー交通システム」とは、歩行者や自転車など非自動車交通や低速交通手段を主とした都市交通体系を指す。
現在中国各地では、それぞれ特色を持った都市のスロー交通システムが次第に整備され、多くの都市住民がスロー交通の便利さと心地よさを享受できるようになってきた。
夜明けの淡い光の中、北京第二環状道路を走る車両が次第に増え始める頃、東城区安定門近くに住む63歳の張建国(Zhang Jianguo)さんは、二環路沿いの「緑道」で朝の運動を始める。張さんは「この道ができて、運動にも外出にもとても便利になった」と語る。
張さんの足元のこの「緑道」は全長35.5キロメートル、昨年末に全線開通した。地図を広げると、それはまるで緑のリボンのように、北京第二環状道路沿線の公園、文化遺跡、商業地区を結びつけている。
北京交通発展研究院軌道研究所の王書霊(Wang Shuling)所長は「スロー交通システムは、短距離移動や公共交通機関への乗り継ぎに最適な方法であり、交通分野の『炭素排出削減』を推進する重要な手段である。スロー交通システムの設計理念は、安全性、連続性、利便性、快適性などの原則に従い、歩行者、自動車以外の乗り物、自動車がそれぞれの道を適切に走行できるようにすべきだ。合理的で科学的な計画は、都市交通システム全体の運行効率の向上に役立つ」と説明する。
朝7時を過ぎると、昌平区回龍観から海淀区中関村ソフトウェアパークに至る自転車専用道路は、すでに車輪の波になっている。全長6.5キロのこの自転車の「高速道路」は、北京初の自転車専用道路だ。
「通勤時間が以前の1時間から、30分以内に短縮された」、回龍観に住む張さんは自転車通勤を好んでいる。「以前は多くの道路で自動車と自転車が混在し、安全とは言えなかった。今は専用道路で、自転車の方がバスより速く、車を運転するよりも気が楽だ」と話す。
関係者の話によれば、現在までに、北京では独立した自転車専用道路60.6キロを設置し、自転車レーン329.9キロの幅を広げた。スロー交通システムの整備が進むにつれ、北京市民のスロー交通を利用とする意欲は向上し続けている。データによると、2024年、北京のスロー交通利用の割合は50.1%に達し、そのうち自転車利用の割合は20.0%を占めた。
早朝6時、江西省(Jiangxi)南昌市(Nanchang)、サイクリング愛好家の王青さんは、英雄大橋の下から出発し、贛江(Ganjiang River)沿いの景観区の緑道を走り抜ける。
「以前はサイクリングといえば郊外に行かなければならなかったが、今は家のすぐそばで川や湖を渡り、2時間で鳳凰洲市民公園や秋水広場など数か所の観光スポットを巡って楽しめる。疲れたら休憩所もある。本当に気持ちがいい!」、王さんが語るこの心地よいルートは、南昌市紅谷灘区が贛江を基盤に整備した28キロのスロー交通システムだ。歩道と緑道が一体となったこの生態的な回廊は、市民に散歩、ランニング、サイクリングのための安全な空間を提供し、スロー交通を、心身をリラックスさせ、生活の質を向上させる日常的な存在にしている。
緑道で結ばれた景観拠点からスマート化された付帯施設まで、緑地の開放と共有、緑道システムによる連携、テクノロジーによる管理の高度化を通じて、従来は分散していた河川沿いの空間、文化的ランドマーク、生態湿地を有機的な全体として結びつけている。関係者によると、この全長28キロの「生態景観帯」は「市民の生活帯」へと進化し、健康づくりや遊びに訪れる市民は、沿道で川の景色を眺め、緑を楽しむことができる。
ある朝、重慶市(Chongqing)渝中区阿卡迪亜居住区に住む陳(Chen)さんは、居住区の入口の遊歩道から出発し、スロー交通システムを利用して九坑子(Jiukengzi)農産物市場へ買い物に向かう。彼女は笑いながら「以前は買い物に行くのに大きく遠回りしなければならなかったが、今はほんの数歩で着く。移動が本当に便利になった!」と話す。
重慶では、歩くことは決して簡単なことではなかった。山地の高低差、曲がりくねった道路によって、市の中心部の公共空間は分散していたからだ。
近年、重慶は地元の特色ある資源を十分に活かし、高品質なスロー交通システムの建設を着実に推進し、「山城歩道(坂の街の遊歩道)」を媒体として、従来分散していたコミュニティ、公園、学校、地下鉄駅を遊歩道でネットワーク化して結んでいる。現在までに、中心部では延べ840キロを超える山城歩道が整備され「相互に連携したネットワーク、市民に便利で効率的、全年齢層に優しい」多機能遊歩道体系がおおむね形成された。
江蘇省(Jiangsu)南京市(Nanjing)戴家巷では、遊歩道がコミュニティの生態も静かに変えつつある。うねうねと上る石段の遊歩道沿いには、40軒以上のカフェ、カルチャーグッズの商店、独立系の書店が点在し、かつて静まり返っていた古いコミュニティに新たな活力が生まれている。年間生産額が1億元(約22億3000万円)を突破したことは、単なる商業の回復ではなく、コミュニティの再生である。
「遊歩道は単なる通路ではない。それは住民の生活動線、商業形態、文化的記憶を結びつけるものだ。我々の目標は『歩道でコミュニティを興し、スロー交通で融合を促進する』ことだ」、渝中区重点プロジェクト建設事務センターの唐柏君(Tang Baijun)主任はそう強調した。(c)People’s Daily /AFPBB News