イカゲーム=Netflix(c)NEWSIS
イカゲーム=Netflix(c)NEWSIS

【01月19日 KOREA WAVE】米動画配信大手ネットフリックス(Netflix)が韓国市場に参入してから約10年、韓国コンテンツ業界は180度の転換を遂げた。それまでテレビ局主導だった制作体制が崩れ、クリエイター主導の新たな生態系が構築されつつある。一方で、Netflixの影響力拡大に伴う「下請け化」や知的財産権(IP)の収益配分の偏りといった課題も浮かび上がっている。

今や世界的ヒット作となった『イカゲーム』。その原案は2008年に構想されていたものの、長年にわたり「非現実的」「暴力的」「商業性が乏しい」などと評価され、企画は実現に至らなかった。

状況が変わったのはNetflixが手を差し伸べた2021年。公開後4週間で世界1億4,243万世帯以上が視聴し、同社史上最高のヒットとなった。表現規制のない制作環境と安定した制作費支援が可能にした成功だった。

Netflixは、広告に依存しない収益構造のもと、PPL(間接広告)などへの過度な配慮を必要としない自由な創作空間を提供。これにより、多様なジャンルと挑戦的な表現が可能になった。

Netflixはまた、韓国が誇るウェブトゥーンやウェブ小説のIPを世界市場へと導いた牽引役ともなった。たとえば、『Sweet Home -俺と世界の絶望-』や『今、私たちの学校は…』はいずれもウェブトゥーン原作で、Netflixでの成功を経て続編の制作が決定した。

2025年配信の『重症外傷センター』は、17カ国で「NetflixグローバルTOP10(テレビ・非英語部門)」の1位を獲得。原作ウェブ小説も再び脚光を浴びるなど、「映像化→人気→原作の再評価(逆走)」という好循環が生まれている。

ネイバーウェブトゥーン(NAVER WEBTOON)によると、自社IPを基にNetflixで制作された作品はすでに24本にのぼる。ディズニーやワーナー・ブラザースなどとのパートナーシップ締結にもつながっており、韓国IPがグローバルな資産として認識されつつある。

とはいえ、Netflixへの依存が高まることによる「下請け拠点化(制作基地化)」への懸念も根強い。特に指摘されるのが、著作権やIP(二次利用権)に関する配分の問題だ。

Netflixオリジナルの場合、著作権の大半はNetflixが保有し、制作会社は派生商品(ゲーム、グッズ、スピンオフなど)の収益に関与できないことが多い。ヒット作であっても「制作費以外に残るものがない」という不満は根強い。

業界関係者の一人は「Netflixがリスクを負って制作費を投じているため、IPを保有するのは理解できるが、あまりに一方的だ」と指摘。「予想以上のヒットが出た場合、その成果をどう分配するか、制度的な改善が必要だ」と話す。

韓国コンテンツのグローバルな成功をどう評価するかについては、見方が分かれている。一部では「韓国コンテンツ産業の体質改善と自立の結果だ」とし、また別の視点では「グローバルプラットフォームによる投資と流通戦略がもたらした一過性の成功」とする声もある。

確かなのは、Netflixが過去10年間、韓国制作産業の“土壌”を変えた存在であったという点だ。その一方で、次の10年に向けて「誰のためのコンテンツか」「成功の果実を誰が得るのか」が問われている。

(c)NEWSIS/KOREA WAVE/AFPBB News