ソウル中央地裁=写真は記事の内容とは関係ありません(c)NEWSIS
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【01月16日 KOREA WAVE】カンボジア人の妊娠中の妻を交通事故に見せかけて殺害したとして起訴された韓国人の夫が、最終的に無罪判決を受け、約95億ウォン(約10億円)相当の生命保険金を受け取っていたことが改めて注目を集めている。

13日に放送されたYTNラジオ『イ・ウォナ弁護士の事件Xファイル』では、この「95億ウォン死亡保険金事件」の詳細が紹介された。

事件は2014年、韓国人男性が、妊娠7カ月の妻を車の助手席に乗せて高速道路を走行中、路肩に停止していた8トントラックに衝突したことに始まる。妻と胎児は即死した。

当初、警察は男性の説明どおり「居眠り運転による単純な事故」と判断していたが、妻名義の生命保険が25件も契約されていたことが判明。これにより、男性は保険金目的の殺人の疑いで起訴された。

裁判は一審で無罪、二審で無期懲役、そして最高裁で差し戻し審の末、殺人罪については最終的に無罪が確定した。最終的に男性は「交通事故処理特例法違反」で懲役2年を言い渡された。

刑事無罪が確定した後も、保険会社は「民事的には保険金を支払う義務がない」と主張。これに対し男性は複数の保険会社を相手取り、保険金支払い請求訴訟を起こした。

裁判の争点は、事故で亡くなった妻が契約内容を理解できる程度の韓国語能力を持っていたかどうかだった。保険会社側は「カンボジア出身の妻が複雑な保険契約を理解できたとは思えない」とし、契約は無効であると主張した。

これに対し、裁判所は男性の主張を支持。妻が入国前後に韓国語を学び、夫の経営する店舗でも働いていたこと、保険契約後に原動機付き免許を取得した事実などを挙げ、「契約内容を理解できる能力があった」と判断した。

この判断により、訴訟対象であった11社のうち10社が男性に保険金を支払うこととなった。残る1社のみは、妻の韓国滞在期間が極めて短く、契約無効が認定された。

事故から判決確定まで約10年が経過しており、遅延損害金(年間12〜15%)が加算されたことで、最終的な支払額は約100億ウォン(約11億円)にのぼった。

(c)NEWSIS/KOREA WAVE/AFPBB News