2025年5月、仁川国際空港第2旅客ターミナルの出国場に設置された「補助バッテリーの機内持ち込み」に関する案内文(c)news1
2025年5月、仁川国際空港第2旅客ターミナルの出国場に設置された「補助バッテリーの機内持ち込み」に関する案内文(c)news1

【01月16日 KOREA WAVE】モバイルバッテリー(補助バッテリー)による火災事故を受け、韓国の航空業界では関連規定の強化が相次いでいる。特に、空港や機内での落とし物として発見されたモバイルバッテリーを保管せず、即時廃棄する方針を取る航空会社が増加している。

アシアナ航空は今月1日から、チェックインカウンターやラウンジ、機内で発見されたモバイルバッテリーや電子タバコ、高温型ワイヤレス機器(無線ヘアアイロンなど)を、落とし物として保管せず直ちに廃棄する運用を開始した。

大韓航空も昨年12月から同様の措置を導入しており、これで6つの韓国籍航空会社(大韓航空、アシアナ、チェジュ航空、ティーウェイ航空、イースター航空、エアプレミア)が同様の方針を採用した形だ。

リチウム電池は「熱暴走」と呼ばれる発熱現象を起こすことがあり、初期消火に失敗すると大規模な被害に繋がる恐れがある。従来は30日間保管や警察への引き渡しなどが一般的だったが、安全最優先の観点から例外措置が取られている。

釜山・金海空港で2025年1月発生したエアプサンの火災事故が規定強化の大きな転機となった。この時、機内の荷物棚に保管されていたモバイルバッテリーが離陸直前に発火し、旅客機1機(A321-200型機)が全焼した。

事故を契機に、韓国の航空各社は、モバイルバッテリーの機内持ち込みは許可するものの、荷物棚への保管を禁止し、常に手元または座席前のポケットに置くよう求めるようになった。また、1人当たり最大5個、100Wh以下という基準も明確化された。

さらに国土交通省は昨年8月、▽絶縁テープの提供による短絡防止▽防炎仕様の隔離用バッグの常備(2個以上)▽40度以上で色が変わる温度感知シールの貼付――の安全管理策を義務化した。

これらの措置は昨年9月からすべての韓国籍航空会社で施行されている。

加えて、モバイルバッテリーの機内使用自体を禁止する初の航空会社も登場した。イースター航空は2025年10月から、全路線において機内でのバッテリー使用による充電を禁止。搭乗者がバッテリーを携帯し、座席ポケットに保管するのは可能だが、離陸から着陸までの全区間での使用は禁止されている。

一方で、こうした規制には法的拘束力がないため、違反者への刑事罰は困難という指摘もある。業界関係者は「モバイルバッテリーによる火災を防ぐには、乗客の自発的な協力が最も重要」とし、「昨年10月から、機内棚に収納する荷物には『バッテリーなし』と明記するタグを付けるなど、各社は周知徹底に力を入れている」と話している。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News