AIとウェアラブルデバイスで早期発見 自己チェックが身近に
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【1月15日 AFP】「スマートウォッチやスマートリングだけじゃない」──人工知能(AI)の進化により、疾患の自己検査がより身近になってきた。アルツハイマーの初期兆候を検出するヘッドセットからがんの早期発見に役立つ虹彩スキャンアプリまで、様々なデバイスが登場している。
「予防医療がうまく機能していない理由は、足しげく医者に通い検査を受けたいとは誰も思わないからだ。しかし、行くべきタイミングが分かればどうだろう?」とスタートアップ「Neurable」共同創業者兼CEOのラムセス・アルカイデ氏は語る。
今月、米ラスベガスで開催された世界最大級のテクノロジー見本市「国際コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」では、心拍数や血圧、血糖値をさまざまな精度でモニターできるスマートリングやブレスレット、スマートウォッチなどが数多く展示されている。
これらの医療関連ガジェットは消費者から高い需要がある。OpenAIが最近発表した研究によると、毎週2億人以上のインターネットユーザーが健康に関する情報を求めてChatGPTを利用している。
Neurableは、脳波(EEG)技術を応用して脳の活動を記録し解読するヘッドセットを開発した。
このヘッドセットと連動するアプリは、ユーザーの医療履歴とデータを比較し、脳波に疾患の兆候とみられる異常がないかをチェックする。
「アップルウォッチはパーキンソン病を検出できるが、それは震えが出てからの話。EEG技術を使えば、実際に身体的な症状が現れる前に問題を検出できる」とアルカイデ氏は話す。
消費者向けの検出デバイスを研究するペンシルベニア大学のアンナ・ウェクスラー教授は「AIが(医療用)デバイスの可能性を広げた」と述べる一方、ウェアラブルEEGデバイスについては、信頼性をさらに高める必要があるとの認識を示している。
Neurableのヘッドセットは診断を行うレベルではないが、警告を発することは可能だ。また、うつ病の兆候やアルツハイマー病の初期発症も検出できる。
Neurableはまた、ウクライナ軍と協力して、ロシアとの戦闘の最前線にいるウクライナ兵や元捕虜の心的外傷後ストレス障害(PTSD)を検出する作業も行っている。
一方、フランスのスタートアップ「NAOX」は、てんかん患者を支援するイヤホン型のEEGデバイスを開発した。これは発作を検出するのではなく、「棘波(スパイク)」と呼ばれる脳内の異常な電気信号を認識する。このデバイスは米食品医薬品局(FDA)の承認を受けている。
AIの進化と技術革新により、これまで見られた大きな医療機器にとって代わる、小型で安価な検出デバイスの開発が加速度的に進んでいる。
「IriHealth」は、虹彩をスキャンする小型スマートフォン拡張デバイスを、50ドル(約8000円)程度で発売する準備を進めている。同社は、虹彩の分析により大腸や肺、肝臓の異常を検出可能になるとしている。(c)AFP/Thomas URBAIN