高齢者向け玩具、80代のおじいちゃんの生活をより楽しく・中国
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【1月20日 People’s Daily】スポーツウェアに身を包み、運動帽をかぶった老人の姿が、浙江省(Zhejiang)杭州市(Hangzhou)拱墅区の居住区・石橋街道「新沁家園」の庭先で、毎朝7時に必ず見られる。それは81歳の住民・陳祖興(Chen Zuxing)さんだ。彼は最近、高齢者向け玩具に夢中になり、天気がよければ毎日階下に降りてその玩具と遊ぶのを日課にしている。
陳さんの家のリビングには、孫の陳嘉琦(Chen Jiaqi)さんが買ってくれた知育・健康玩具が所狭しと並んでいる。しなって反発するバーを立てた先にピンポン球を付けた「反発式卓球練習器」、盤面で駒を弾いて対戦する「対戦型駒弾き将棋」、「輪投げマシン」、ヘッドギアにゴムでつないだボールをつけてそれを打撃して遊ぶ「パンチングボール」など、これらの玩具は、陳さんの老後の生活に多くの楽しみをもたらしている。
「この反発式卓球練習器が一番のお気に入りだ」と言いながら、陳さんはリビングの中央に練習器を置き、使い方を実演してくれる。彼がラケットを振るたびにピンポン玉が跳ね上がり、様々な角度で跳ね返ってくる。小さなリビングに、軽やかな「ピンポン」という音が響き渡る。
「この卓球のおもちゃは敏捷性が鍛えられる。他にも反応速度を訓練できるものもある」、そう言うと彼は寝室のドアまで駆け寄り、ドア枠に吊るされた「俊敏キャッチ棒マシン」を始めた。5本のカラフルな棒が透明なパイプからランダムに落ちてくる。彼は手首を軽く動かし、3本をしっかりとつかむことができた。それを見ていた妻は拍手して「昨日より1本多くつかめたわ!」と声を上げた。
額の汗をぬぐいながら、陳さんは感慨深げに「若い頃から運動が好きだったんだ。昔は球技をしようと思っても、人数を集め、場所を探し、テーブルを運ばなければならなかった。面倒だったよ!今はどうだい?リビングでも、階下でも、いつでも遊べる。体のこわばりもほぐれる」と話す。
2024年の「重陽節(旧暦の9月9日、敬老の日)」に、孫の陳嘉琦さんが初めて高齢者向け玩具「対戦型駒弾き将棋」をネットで購入してくれた。最初は「子供っぽい」と思っていた陳さんだったが、盤面の攻略法を考え出し、孫との対戦で勝つこともできるようになると、テレビを見るよりもずっと面白いと感じるようになった。
「おじいちゃんが年をとってきたので、退屈しのぎと健康づくりのためにおもちゃを買ってあげようと思った」と陳嘉琦さんは言う。これらの玩具はすべてオンラインで購入したものだ。「遊び方の説明動画があるので、おもちゃが届いたら、おじいちゃんに教えに行く」と話す。
玩具が生活を豊かにする前は、陳さんの日常的な運動は、決まったルートを散歩するだけの単調なものだった。今では「俊敏キャッチ棒マシン」が身体の反応速度を試し、「対戦型駒弾き将棋」が思考を働かせ、「パンチングボール」が体のリズムを刺激する。一見単純なこれらの玩具が、彼の老後の生活に確かな変化をもたらしている。
階下で遊んでいると、通りかかった近所の人たちが足を止めて見物する。陳さんは熱心に「この小さなおもちゃは、健康食品よりずっと役に立つよ。手を動かして、頭を働かせることができて、テレビを見たり、スマホをいじったりするより、何百倍もいいよ」と、その玩具の感想を語って聞かせる。
孫の陳嘉琦さんは時々おじいちゃんに新しい玩具を買い足している。出張で「義烏国際貿易城」に行った時は、モグラたたきゲームを見つけ、すぐに杭州に持ち帰った。「おもちゃには新鮮さが必要だ。このゲーム機はおじいちゃんの反応力を鍛えられるし、場所も取らないので」と話す。
高齢者向け玩具の消費が増えるにつれ、多くの業者がそのビジネスチャンスを嗅ぎ取った。義烏国際貿易城第1区に居を構える玩具店では、所狭しと並んだ様々な玩具の中に、シニア層向けの組み立て玩具や編み物玩具が多く混ざっている。
長年ここで玩具を販売してきた店主の張燕(Zhang Yan)さんは「シルバーエコノミー」が2年連続で「政府工作報告」に盛り込まれたことがきっかけで、新たなチャンスを見つけ出した。「高齢者のニーズに合わせて開発された知育玩具は、情緒的な価値が提供できる。花かごやバッグなどの手工芸品を編む過程では、高齢者は手と目と脳の協調能力を鍛えることができる」、張さんはこう説明する。
また、義烏国際貿易城第3区の人混みの中、1軒の店先には好奇心旺盛な客が集まっていた。店主の林麗員(Lin Liyuan)さんは、小ぶりで精巧な「ハンドグリップボール」を取り上げて「このボールは遊び方がいろいろある。軽く弾くだけで、ボールが遠くまで飛ぶ。安全で面白くて、高齢者の関節を十分に動かす働きがある」と宣伝していた。
「義烏市玩具業界協会」の陳美君(Chen Meijun)副会長は「高齢者向け玩具は、シニア層の精神的な充足や社会的つながり、心身の健康へのニーズに深く合致しており、単なる『時間つぶし』ではない」と指摘している。
現在、市場には機能性と実用性を兼ね備えた、優れたデザインの高齢者向け玩具が数多く出回っている。
「多くの高齢者は生活の質と精神的満足を追求しており、楽しさ、健康、社交的な価値を兼ね備えた高齢者向け玩具にはみな喜んでお金を払う」、陳副会長はこう話している。(c)People’s Daily /AFPBB News