「バッグチャームブーム」から見る中国消費のニュートレンド
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【1月16日 People’s Daily】中国では2025年から「バッグチャーム」の流行が急速に広がっている。街を歩くと、多くの若者のバッグに、マスコットキャラの人形やピンバッジなどの様々なアクセサリーがぶら下がっているのが目に入る。中国アニメ映画の『哪吒之魔童降世(英題:Ne Zha)』主人公「哪吒」などの有名キャラクターから多様なオリジナルデザインのかわいいぬいぐるみ人形まで、これらは「バッグチャーム」小物と呼ばれている。「バッグチャーム」は若者たちの「ファッションの合言葉」であり、彼らの趣味と審美観を表現している。
若者たちにとって、「バッグチャーム」はもはや単なるアクセサリーではなく、「持ち運べる心情」であり、バッグが揺れるたびに、持ち主の個性とその気持ちが伝わってくる。
この独特な魅力が「バッグチャーム」の流行を若者の間に静かに広め、現代の新しい消費トレンドを読み解く窓にもなっている。
「バッグチャーム」流行の背景には、消費の論理の「実用性最重視」から「感情的共鳴」への転換がある。ある調査報告によると、消費者の64%が「精神的消費」をより重視しているという。若者たちの「自身の満足」の追求によって「感情的な価値」は消費選択の重要な尺度となった。
「バッグチャーム」の流行は、まさにこのトレンドを象徴する現象だ。映画やアニメのキャラクターをモチーフにした小物は、大好きな物語を常に身近に感じさせてくれるものだ。博物館の文物をモチーフにしたものは、千年の文化を指先で感じることができる。
一つひとつの小さな「バッグチャーム」は、まるで物語の語り手のようであり、持ち主の好み、思い出、憧れを語り、「消費」を冷たい取引ではなく、温もりのある「感情の結びつき」に変えている。
ソーシャルメディアでは「バッグチャームコーデ」「ニッチなチャームのおすすめ」などのトピックが人気を集め、ネットユーザーたちは自身のコレクションやコーディネートのアイデアを共有し、購入ルートを交流し、活発な趣味のコミュニティを形成している。
またオフラインでも、例えば見知らぬ二人が互いのバッグに同じものや同じシリーズの「バッグチャーム」を下げているのを見つけると、瞬時に二人の距離感が縮まる。このような共通の興味に基づく「ソーシャルインタラクション(社交・交流)」は、若者の社交生活を豊かにするだけでなく、新しい消費にさらなる社会的価値を与えている。
鋭敏なブランドや事業者はこの機会を捉え、オフラインで「バッグチャームDIY」イベントを開催したり、限定コラボ商品を発売したり、消費者との交流を通じてグッズと消費者の距離を縮め、消費市場に一層の温かみを持たせている。
「バッグチャーム」ブームを裏から支えているのは、供給側の「大量生産」から「柔軟なカスタマイズ」への大きな変革だ。かつて、バッグアクセサリー業界は大規模生産に依存し、一度の最低発注数量が数万個におよぶことも珍しくなかった。それゆえニッチな需要を満たすことが難しく、市場の新鮮さも失われていた。しかし現在では、スマート製造の発展とデジタルワークショップの普及のおかげで、まるで春風のように業界全体に活気をもたらしている。
「50個からの受注」「100個単位の生産」はもはや難題ではなく、柔軟な生産体制により小ロットで個性的な製品が迅速に市場に投入され、創造性に翼を与えている。例えば、最近公開されたアニメ映画『浪浪山小妖怪(Nobody)』が劇場でブームを巻き起こすと、関連する「バッグチャーム」グッズがただちに発売され、観客の「好き」という気持ちを即座に消費に変えている。供給側の柔軟な変革が、市場が若者の需要にタイムリーに対応することを可能にし、あらゆるニッチな趣味も可視化され、満たされるようにしている。
「萌え系ぬいぐるみ」から文化クリエイティブグッズ、そして現在の「バッグチャーム」まで、トレンド玩具はニッチなサークルから大衆の視野へと一歩ずつ歩みを進め、新しい消費市場における鮮やかな風景ラインとなっている。
「中国トレンド玩具とアニメ産業発展報告(2024)」では、26年までに中国のトレンド玩具産業の総価値は1101億元(約2兆4607億円)に達し、年平均成長率は20%を超えると予測している。
トレンド玩具市場の際立った成績は、新しい消費需要の旺盛な活力を証明するとともに、若者層をターゲットにした供給側の動きが加速していることの縮図でもある。
今後、消費需要の継続的な高度化と供給能力の持続的な向上に伴い、「バッグチャーム」のように温かみと創造性に満ちた製品がさらに続々と登場し、消費市場に新たな活力を絶え間なく注ぎ込むことになるだろう。(c)People’s Daily /AFPBB News