【1月15日 東方新報】2年以上にわたる協議を経て、中国と欧州連合(EU)は、電気自動車(EV)をめぐる問題で重要な合意に達した。

中国商務部は12日、公式発表で、EU向けに純電気自動車を輸出する中国企業に対し、価格承諾に関する共通の指針を示す必要があるとの認識で、中国とEUが一致したと明らかにした。これにより、中国の輸出企業は、より実務的で、実情に即し、かつ世界貿易機関(WTO)のルールに沿った形で、EU側の懸念に対応できるようになるとしている。

この合意は、価格承諾が、EUによる中国製EVへの反補助金関税に代わる選択肢となる可能性を示すものだ。

EU欧州委員会は2023年10月、中国製EVに対する反補助金調査を開始した。2024年10月には、中国から輸入されるEVに高率の反補助金関税を正式に課した。その後、中国とEUは価格承諾を軸に協議を再開し、交渉を重ねてきた。

中国政法大学(China University of Political science and Law)WTO法研究センター主任で教授の史曉麗(Shi Xiaoli)氏は中国新聞社(CNS)記者に対し、価格承諾について「輸出企業が一定水準を下回らない価格で販売することを自主的に約束し、補助金による競争上の不利益を解消する仕組みだ」と説明した。合意が成立すれば、反補助金関税の適用を回避できる可能性があるという。

今回の発表によると、EU側はすでに「価格承諾申請に関する指針文書」を公表している。この文書では、非差別原則を堅持し、WTOルールに基づいて、すべての価格承諾申請に同一の法的基準を適用し、客観的かつ公正に審査する方針が明記されている。

中国機電製品輸出入商会の法律サービス部主任、陳惠清(Chen Huiqing)氏は、この指針について「双方が複数回にわたる協議を経て得た具体的な成果であり、非常に前向きな意味を持つ」と評価した。

陳氏によると、価格承諾を希望する中国企業は、この指針を踏まえて欧州委員会に申請を行うことができる。文書には、申請手続きや必要書類など、実務面での具体的な指針が示されているという。

この進展は、中国の関連業界にとっても信頼感を高める材料となりそうだ。中国機電製品輸出入商会は声明で、EUによる対中EV反補助金案件を適切に解決することは、中国とEU双方のEV産業にとって共通の期待であり、関係企業が協議の成果を積極的に活用し、価格承諾の申請を通じてEU向け輸出の正当な権益を確保するよう、支援していくと表明した。

EU中国商会も、中国のEV産業の競争力は、継続的な技術革新と、市場競争の中で形成されたコスト面・規模面の優位性によるものであり、補助金への依存ではないと強調した。EV案件が適切に解決されれば、市場の不透明感が和らぎ、中国のEVおよび関連サプライチェーン企業が欧州で投資・事業を展開するうえで、より安定し、見通しの立つ環境が整うとしている。

専門家の間では、この進展が中国とEUの自動車産業における長期的な協力関係にも資するとの見方が出ている。史曉麗氏は「中国とEUの間には依然として多くの共通利益がある」と指摘する。EUはグリーン分野で世界をリードしており、中国も先進的なグリーン技術を持つとともに、同分野の推進に積極的だ。EVは、双方が実効性のある技術協力を進めるうえで、象徴的な分野だという。

中国商務部の立場が示すように、今回の合意は、中国とEUがWTOルールの枠組みの下で、対話と協議を通じて意見の違いを適切に解消し、中国とEU、さらには世界の自動車産業のサプライチェーンの安定を守る能力と意思を有していることを示している。これは、中国とEUの経済・貿易関係の健全な発展に資するだけでなく、ルールに基づく国際貿易秩序の維持にもつながる。(c)東方新報/AFPBB News