反政府デモ受け通信遮断続くイラン、スターリンクも妨害対象に
このニュースをシェア
【1月13日 AFP】大規模な反政府デモへの対応で当局によるインターネットの遮断が続いているイランで、反体制派の一部が利用する衛星インターネットサービス「スターリンク」も同様に妨害の対象となっている。
インターネットの接続状況を監視するNetblocksは12日、地上ケーブルを介したネット接続の遮断は3日半以上続いていると明らかにした。
そうした中、イラン当局は、米宇宙開発企業スペースXが提供する衛星インターネットサービス「スターリンク」へのアクセスも妨害しようと試みている。
人権団体Miaanのデジタル権利担当者は、IT専門メディア「テックレーダー」に対し、「過去20年にわたりインターネットへのアクセスを監視し研究してきたが、こんなことは一度もなかった」と述べ、当局による試みの規模について説明した。
仏・サボワ大学教授でイランのインターネットアクセスに関する報告書の共同執筆者カベ・サラマティアン氏もスターリンクに対して「これほど強力な妨害(ジャミング)が行われるのは初めて」だと述べた。
スターリンクは、イラン当局による中央集権的で細かなインターネット管理を回避するための一つの手段となってきたが、運用に必要なGPS信号を妨害することで、比較的効率よく機能を阻害できる可能性がある。
その他の手段としては、衛星と地上端末間の通信を遮断する方法も考えられる。ただ、その場合は非常に多くの妨害装置が必要になると、ハドソン研究所の電子戦専門家ブライアン・クラーク氏は指摘した。
クラーク氏によると、携帯電話を標的にした妨害装置は一般向けにも販売されており、適切な技術的知識があればスターリンクを標的にもできるという。ただ、こうした機器では「小さなエリアの妨害しか行えない」と付け加えた。
スターリンクを対象とした妨害装置は、ウクライナ侵攻を続けるロシアによっても使われている。ただ、地上の受信機近くに妨害装置を設置する必要があり、このタスクの難しさから、ウクライナ軍はスターリンクを活用し続けることができている。
イランとロシアとの緊密な協力関係を考えると、イランはロシアから妨害装置を供与されている可能性もある。
しかし、ある業界関係者は、ウクライナ侵攻作戦での需要の高さを考えると、ロシア政府がイランに装置を多数提供する可能性は低いと指摘している。(c)AFP/Fabien ZAMORA and Tom BARFIELD