韓国と北朝鮮、無人機による軍事的衝突は回避…「管理型対峙」局面へ
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【01月13日 KOREA WAVE】北朝鮮が「韓国の無人機が領空を侵犯した」と主張して一時的に高まった南北の軍事的緊張は、韓国政府の否定と軍・警察による合同調査の開始により、拡大は回避された。しかし、北朝鮮は韓国側の調査結果次第では「状況は急変し得る」と余地を残しており、現在は両国が調査結果を注視する「管理型対峙」の局面にあるとみられる。
北朝鮮は10日、軍総参謀部報道官声明を通じて、「韓国が無人機を用いて我が国の南部国境を侵犯した」と強く非難。これを「主権侵害・軍事的挑発」と規定し、「決して容認できない狂行であり、相応の代価を支払うことになる」と警告していた。
しかし、北朝鮮が公開した無人機の残骸写真や仕様から、これは中国製の市販品である「スカイウォーカー・タイタン2160」とされ、偵察用軍用ドローンという北朝鮮側の主張とは矛盾があるとみられている。
韓国政府は北朝鮮の発表直後に「我が軍が運用している機体ではない」と明言し、北朝鮮が指摘した日(1月4日と昨年9月27日)に該当機体の飛行実績がないと反論。イ・ジェミョン(李在明)大統領の指示により、民間まで対象とした徹底調査を開始したと発表した。
強硬な姿勢を見せていた北朝鮮も、ひとまずは状況を見守る姿勢を示した。北朝鮮の対外政策を主管するキム・ヨジョン(金与正)朝鮮労働党副部長は11日の談話で「韓国軍が自国の行為ではないと明らかにした点は、延命のための賢明な選択だったと評価する」と述べ、迅速な韓国側の対応を「幸い」と評した。
一方でキム・ヨジョン氏は「我が国境を侵犯した無人機に関する具体的説明は必要だ」と述べ、調査結果を見て対応を決定する姿勢も示した。これは、北朝鮮としても今回の件で南北関係をさらに悪化させる意図はないことを示す発言と受け止められている。
北朝鮮は12日、無人機問題に関する新たな声明や報道を出さなかった。前日まで朝鮮労働党機関紙・労働新聞などを通じてこの件を大々的に報じていた点と比べると、態度に変化が見られる。
一部の専門家は、北朝鮮が今回の件を当初から大きな南北衝突には発展させるつもりがなかったと分析している。北朝鮮側も、公開した無人機が中国製市販品であることは把握していたはずだとされ、昨年9月に起きた事案を今になって外交カードに使った背景には、党大会を前にした内部結束の必要性があると指摘されている。
韓国国防省は大統領の指示に従い、軍・警合同の調査に着手したことを明らかにした。調査結果については最大限透明に、かつ迅速に公表する方針で、現局面を適切に管理したい考えだ。
現在、軍は無人機の運用実績を再確認しており、警察は北朝鮮側が指摘したドローン飛行地点(江華島および坡州)を中心に証拠物の捜索や監視カメラ映像の解析を進めている。民間の脱北者団体や政治色のない趣味団体の関与を含め、あらゆる可能性を排除せず調査している。
統一省も「関係機関の調査結果を注視しつつ、南北間の緊張緩和と信頼醸成に向けた努力を継続する」と述べ、冷静な対応に努める構えを示した。
調査の結果、具体的な加害者が特定された場合、政府は法的処罰を含む措置を検討している。適用法令としては、航空安全法や南北関係発展法が検討されており、民間による統制空域での無人機飛行は現行法で違法とされている。
政府による調査の結果と説明内容は、北朝鮮の今後の対応を左右する分岐点となりそうだ。北朝鮮がこれを「面子を保つための出口」として活用するか、あるいは新たな圧力の口実とするかが注目される。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News