【01月13日 KOREA WAVE】
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「どうせ全部情報は漏れてるんだから、支援金(割引)が多い会社に乗り換えるのが得ですよ」

これは最近、記者が知人から聞いた言葉だ。信頼して使うより、どれだけ得かが重要になってしまった。情報が漏洩したのはどこも同じなのに、競合を貶すマーケティング合戦が加熱する通信業界の実態がそこにある。

KTが無断少額決済事件の対応として契約解除時の違約金免除を発表した直後、市場は大きく動揺した。昨年12月31日から1月8日まで、10日間で15万人以上がKTを離れた。

だが市場を動かしたのは、通信品質でも、強化されたセキュリティ対策でもなかった。

競合他社が事故を突いて仕掛けた「不安マーケティング」だった。

ある代理店のガラス窓には「すべて漏れたKT、危なくて使えません」という刺激的なフレーズが掲げられた。これは昨年、SKテレコムで起きた事故当時にも見られた風景の繰り返しである。

皮肉なことに、現在この「不安合戦」を繰り広げる移動通信3社(SKT、KT、LGU+)はいずれも昨年、個人情報流出やハッキング被害を経験した当事者だ。つまり、「自社のほうが安全」と胸を張って言える会社は1社もないのだ。

もちろん、市場原理として「相手の不祥事が自社にとってのチャンスになる」構図は理解できる。だが、今の通信会社の姿は一線を越えているという印象を拭えない。

そもそも通信は「人と人、情報を安全に結ぶこと」を本質として発展してきた。電報、電話、インターネットと形を変えながら、信頼を基盤に築かれた国家的インフラだ。だからこそ、通信の秘密を守ることが法律上の義務でもある。

にもかかわらず今、通信業界で「セキュリティ」と言えば、技術ではなく“客引きの言い文句”にすぎない。

セキュリティ事故は、まるで「割引イベント開始」の合図のようになっている。消費者が事故のたびに「今度はいくら割引されるのか」と期待するようになった責任は、通信会社自身にある。

通信は信頼によって機能するインフラだ。今、崩れているのは単なる「シェア」ではない。その根幹である“信頼”そのものだ。

そしてその穴を、割引という“金”で埋め合わせようとする市場は、まるで砂上の楼閣。いつ崩れてもおかしくない、不安定な構造だ。

通信に「信」が戻る日は来るのか——。【news1 キム・ミンスICT科学部記者】

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