【1月13日 AFP】オーストラリアは13日、ドナルド・トランプ米大統領に「私もあなたを好きではない」と言われ、存在感が薄くなっていたケビン・ラッド駐米大使が3年間の任期を終えて退任すると発表した。

首相経験者でもあるラッド氏は3月31日に退任し、米ニューヨークのシンクタンク、アジア・ソサエティの理事長に就任する。

ラッド氏はジョー・バイデン前政権時代、大統領ではなかったトランプ氏を激しく批判していた。

トランプ氏は昨年10月、ホワイトハウスで行われた米豪首脳会談でラッド氏への軽蔑を表明し、オーストラリアの一部野党はラッド氏の辞任を求めた。

オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相はペニー・ウォン外相との共同声明で、「ラッド氏は、民主党政権と共和党政権のどちらの時代においても、最も緊密な安全保障同盟国であり、主要な戦略的パートナーである米国と協力し、オーストラリアのために具体的な成果を上げてきた」「ラッド氏の大使、元首相、元外相としての並外れた功績に感謝する」と述べた。

ラッド氏は駐米大使就任前、トランプ氏を「史上最も破壊的な大統領」「西側の裏切り者」と呼び、「米国と民主主義を泥沼に引きずり込む」と非難していた。

だが、トランプ氏が2024年11月に大統領選で勝利すると、これらのコメントを削除した。

昨年10月の米豪首脳会談で、ラッド氏のこうしたコメントについてどう思うかと記者に問われると、トランプ氏は「彼は謝罪した方がいいかもしれない」と回答。

トランプ氏は隣にいるアルバニージー氏に向かって、「彼はどこにいる? まだ君のために働いているのか?」と話しかけた。

アルバニージー氏はぎこちなく笑いながら、目の前に座っているラッド氏を示した。

ラッド氏が「大統領閣下、それは私がこのポストに就く前のことだ」と謝罪せずに釈明を始めると、トランプ氏は話を遮り、「私も君が好きじゃない。嫌いだ。今後も好きになることはないだろう」と明言した。

中国語を話す元外交官であるラッド氏は、バイデン前政権時代に駐米大使に任命された。オーストラリアはラッド氏の中国に関する専門知識がワシントンでの影響力を得るのに役立つだろうと期待していた。(c)AFP