2025年1月2日、済州航空機事故当時の現場の様子(c)news1
2025年1月2日、済州航空機事故当時の現場の様子(c)news1

【01月11日 KOREA WAVE】韓国で2024年12月29日に発生した済州航空機の墜落事故で、事故機の操縦士が鳥の群れとの衝突直後、緊急マニュアルに従って迅速に対応を試みた様子が、公開されたブラックボックスの音声記録により明らかになった。

「12・29旅客機惨事真相究明のための国政調査特別委員会」に所属する保守系野党「国民の力」のキム・ソヒ議員が1月10日公開した航空鉄道事故調査委員会の公聴会資料には、事故発生当時の操縦士らの緊迫した会話内容が含まれていた。

事故調は今回の事故原因を「鳥類」「電波航法施設(ローカライザー)」「機体」「エンジン」「運航」「人的要因」などのセクションに分けて分析。そのうち「人的要因」パートに、事故発生から75秒間の操縦士の会話記録が含まれていた。

資料によれば、事故当日の午前8時58分11秒、副操縦士が「バード(Bird)」「下にすごくたくさんいます」と叫び、鳥の群れを発見。事故調は、当時滑走路に接近していた鳥の群れが約5万羽だったと推定している。

8時58分20秒には操縦士が着陸を中止し「ゴーアラウンド(着陸復行)」を宣言。6秒後の8時58分26秒には、鳥との衝突音と思われる「バフッ」という音と共に、機長の短い呻き声がブラックボックスに記録された。

その直後、エンジン出力が低下し、機首が下がると操縦士らは「致命的損傷(Severe damage)」(8時58分35秒)、次いで「非常手順(Memory Item)」(同36秒)を宣言し、約15秒間にわたり緊急マニュアル通りの手順を実施。出力制御装置を手動に切り替え、一方のエンジンを停止させ、火災遮断スイッチも作動させた。

しかし、8時58分50秒には飛行記録装置(FDR)および音声記録装置(CVR)の両方が停止。8時58分56秒には「メーデー」を宣言し、事故機は9時1分、管制塔と交信して滑走路への緊急着陸を試みたが、9時2分、電波航法装置「ローカライザー」が設置されていたコンクリートの盛土と衝突した。

資料では、事故原因の一部として指摘されているローカライザーとその設置構造物も分析した。空港安全運営基準第109条では、精密進入用滑走路の端から240メートル以内には、航空目的に必要な場合を除き、施設や機器の設置が禁止されている。務安空港はこの点については基準を満たしていた。

ただ、「航空目的で設置される施設・機器などは折れやすく、できる限り低く設置されるべきだ」との基準には適合していなかったと、事故調は判断した。

キム・ソヒ議員は「事故調の報告書は、今回の惨事を多角的に総合的に見直す必要性を示している。操縦士の責任だけにすることはできない。国政調査により調査結果を精査し、関係者の責任を明らかにする」と述べた。

遺族側も「事故調は事故の責任を操縦士に転嫁し、ローカライザー設置の責任を持つ国土交通省の責任を矮小化しようとしている」と反発している。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News