【1月11日 AFP】米国移民・税関捜査局(ICE)職員の発砲で女性が死亡した事件を受け、中西部ミネソタ州ミネアポリスでは10日、数千人が抗議デモに参加し、殺害された女性の名前を叫んだ。

ドナルド・トランプ米大統領政権による移民取り締まりに対し、米国では怒りの声が広がっている。デモの主催者によると、「ICE、永久に出て行け」というスローガンのもと、米国内各地で1000件超のイベントが計画されているとされる。

ICE職員によりレニー・ニコール・グッドさん(37)が死亡した7日の事件に抗議するため、ミネアポリスでは数千人が現場近くで集会を開いた。雪覆われた現場で参加者らは「ICEはミネソタから出て行け」と書かれたプラカードを掲げた。

グッドさんの死は、民主党の地盤である同州にとどまらず、全国規模で反感を招いた。

フィラデルフィアでは、市庁舎からICEの現地事務所まで雨の中をデモ隊が行進した。ニューヨーク、ワシントン、ボストンでも集会が行われ、数十人から数百人の参加者が集まった。11日にも各地で抗議集会が計画されている。

抗議の呼びかけは、「ノー・キングス」運動によってさらに広がっている。これは昨年、トランプ氏に対する全国的なデモを行った左翼組織のネットワークだ。

抗議デモの参加者からは、「私たちの権利が奪われ、独裁政権に変わりつつあると感じた」「トランプ政権が市民を殺し、人々を誘拐するのを誰も止めていない。もう止める時だ」といった声が上がった。

また、「ICEが自己防衛のために女性の顔を撃つなんて、意味がわからない」との声もあった。

■「あなたに怒っていない」

トランプ政権はグッドさんを「国内テロリスト」だと指摘し、ICE職員の発砲は自己防衛だったと強く主張している。

しかし、この主張は地元当局によって強く否定されている。当局によると、事件の瞬間をとらえた映像では、グッドさんの車両が職員から離れようとしており、職員の命は危険にさらされてはいないという。

発砲した職員自らが撮影したとされる携帯電話の映像には、グッドさんが車両で道を塞ぎ、職員の行動を妨げようとしている様子が映っている。職員はグッドさんの車両に近づいてその周りを歩く中、グッドさんは「あなたに対して怒ってはいない」と言っているのが分かる。

映像では、別の職員がグッドさんに車から降りるよう命じる声が聞こえ、その直後に車両が動き、発砲音が聞こえる。動画を撮影していた職員の「くそったれ」と言う声も記録されていた。

ホワイトハウスは、このビデオがエージェントの自己防衛の主張を裏付けるものだと主張しているが、クリップには車が動く瞬間や職員が発砲する瞬間は明確に映っていない。(c)AFP