【1月20日 CNS】待望されていた2026年の「国補(国の補助金)」が始まる。

中央経済工作会議は、2026年の経済運営における最優先課題として「内需主導を堅持し、強大な国内市場をつくる」方針を明確にした。内需拡大の柱となるのが、「両新」政策(大規模な設備更新と、消費財の買い替え促進=下取り・買い替え補助)であり、2026年はその内容が見直され、より使いやすくなる。

国家発展改革委員会はこのほど、「2026年に大規模設備更新および消費財の買い替え促進政策を実施することに関する通知」を取りまとめて発出した。また同委員会は財政部とともに、消費財の買い替え促進を支援する超長期特別国債の資金について、2026年の第1弾として625億元(約1兆4006億円)を地方に前倒しで割り当てた。国民の関心が最も高いのは、消費財の買い替え促進に関する「国補」の変更点だろう。

三里河中国経済観察によると、重要な変更は次の3点だという。

1つ目:スマートグラスが初めて補助対象に

これまでの「デジタル製品購入補助」は、「デジタル・スマート製品購入補助」へと拡大され、補助の上限は500元(約1万1205円)となる。

個人消費者がスマートフォン、タブレット、スマートウォッチ(スマートバンド)、スマートグラスの4種類の製品(単品の販売価格が6000元<約13万4466円>以下)を購入する場合、販売価格の15%が補助される。補助は消費者1人につき、各カテゴリー1点まで。1点当たりの補助額は最大500元だ。最近はAI搭載スマートグラスをめぐって競争が激しく、インターネット大手も相次いで新製品を発表している。スマートグラスは一般の生活にも急速に入り込みつつある。

今回、スマートグラスが補助対象に入ったことは、市場に明確なメッセージを投げかけている。「AI+消費」を政策面で重点的に支えるという方向性だ。
国家発展改革委員会・国家情報センター経済予測部の副研究員、袁劍琴(Yuan Jianqin)氏は「消費の高度化という新たな流れに沿い、スマート製品への支援を強めることで、高付加価値・スマート・環境配慮型製品の普及を加速できる。革新的な製品が市場に定着するまでの時間を短縮し、高付加価値の供給と需要をより的確に結びつけることにもつながる」と指摘している。

2つ目:自動車の買い替え補助が「定額」から「車両価格に連動」へ

これまで自動車の買い替え補助は定額だったが、2026年からは車両価格に応じた割合で補助する方式に改められる。

廃車して新車に買い替える「廃車更新」補助は、新エネルギー乗用車の購入で車両価格の12%(上限2万元<約44万8220円>)、排気量2.0リットル以下のガソリン乗用車の購入で車両価格の10%(上限1.5万元<約33万6165円>)となる。別の車へ乗り換える「置換更新」補助は、新エネルギー乗用車の購入で車両価格の8%(上限1.5万元)、排気量2.0リットル以下のガソリン乗用車の購入で車両価格の6%(上限1.3万元<約29万1343円>)となる。

この変更は、補助制度がより細かく設計されるようになったことを示している。

例えば、古い車を廃車にして新エネルギー車を買う場合、以前は車の価格にかかわらず2万元の補助が受けられた。しかし今後、2万元を満額受けるには、車両価格が16.66万元<約373万3672円>を上回る必要がある。政策の狙いは明確で、中~高価格帯モデルの買い替え需要を的確に引き出し、同じ補助額でもより大きな販売額を生み出すことにある。

国家節能センター主任の劉琼(Liu Qiong)氏は「補助金の支出が車両価格に応じて変動するため、更新台数の総量を安定させつつ、補助対象となる車種構成の改善にもつながる。過度な値下げ合戦のような低水準の価格競争を抑える効果も期待できる」と述べている。

3つ目:家電の補助は「1級の省エネ・節水製品」に限定

見直し後、家電の買い替え補助は1級の省エネまたは節水基準に適合する製品のみが対象となり、2級基準の製品は補助対象外となる。個人消費者が冷蔵庫、洗濯機、テレビ、エアコン、パソコン、給湯器の6種類の家電のうち、1級の省エネまたは節水基準に適合する製品を購入した場合、販売価格の15%が補助される。補助は消費者1人につき、各カテゴリー1点まで。1点当たりの補助は最大1500元(約3万3616円)だ。

これは、環境配慮をより強く打ち出し、基準の力で市場を誘導する姿勢が鮮明になったことを意味する。明確な基準を設けることで、消費のグリーン転換を促し、産業側の高度化も促す狙いだ。

劉琼氏は「関連業界データによると、この6種類の製品の保有台数は都市・農村家庭の家電保有台数の70%以上を占める。支援を集中させれば、補助がより広い層に届き、波及効果も大きくなり、『補助を受けられる人の割合』も高まる」と話す。総じて言えば、補助をより多くの人に行き渡らせ、効果が大きい分野へ重点配分することが、今回の見直しの核だ。グリーン低炭素製品とスマート製品の普及を強め、重点消費財の「補助を受けられる割合」を高める――いわば、補助金を最も効果的に使うということだ。

一方、大規模設備更新についても、質の向上を意識した見直しが進む。

支援対象はさらに広がり、2026年には老朽住宅団地へのエレベーター増設、介護施設、消防・救助設備、検査・検測、オフライン消費向け商業施設などの分野が新たに加わる。同時に、設備更新プロジェクトを申請する際の投資額の下限を引き下げ、中小企業の設備更新への支援も強化する。

さらに、グリーン転換への支援も拡大される。2026年は、老朽化した営業用貨物トラックを電動トラックへ更新することを奨励する。

袁劍琴氏は「交通運輸は炭素排出の大きな分野であり、貨物トラックはその中でも排出量が多い。営業用貨物トラックの電動化は、汚染とCO2排出の削減に直結するだけでなく、大規模な需要を生むことで、新エネルギー電動トラックの産業チェーンの技術向上とコスト低下を促す。環境面の効果と産業面の波及効果を同時に期待できる」と指摘している。

一般の人びとにとっては、車や家電の買い替え、スマホ購入に使える、目に見える支援策となる。産業界にとっては、転換を促す明確なシグナルであり、「AI+消費」やグリーン消費は大きな成長余地がある。経済全体にとっては、供給は強いのに需要が弱いという課題に対し、需要を的確に押し上げる重要な一手だ。これまでの実績から見ても、「両新」政策は大きな効果を上げてきた。

データによると、2025年の第1~第3四半期には設備・器具の購入投資が前年同期比14%増となり、全体投資を2ポイント押し上げた。2025年1~11月には、消費財の買い替え促進が関連商品の売上を2.5兆元(約56兆275億円)超押し上げ、延べ3.6億人以上が恩恵を受けた。2026年に政策が見直されたことで、「両新」政策の波及効果はさらに拡大していくとみられる。

結局のところ、この「刷新」政策は、国民がより質の高い暮らしを手にするきっかけになるだけでなく、消費と投資の潜在力を引き出し、経済の持久力を高めることにもつながる。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News