中国カーボン市場で初めての国務院文書
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【1月15日 People’s Daily】カーボン市場は、市場メカニズムを活用して、気候変動に積極的に対応し、経済社会の全面的なグリーン転換を加速する重要な政策ツールである。
これに関し中共中央弁公庁と中国国務院は「グリーン低炭素型転換推進と全国カーボン市場構築の強化に関する意見」(以下、「意見」)を公布した。これは中国のカーボン市場に関する初めて中央政府文書であり、全国カーボン市場の構築に対して、より完全な制度的保障とより強力な能力的支援を提供し、より効果的でより活力に満ち、より国際的な影響力を持つ全国カーボン市場の構築を推進するものである。
現在、中国はすでに重点排出事業体が強制排出削減責任を履行する「全国炭素排出権取引市場(強制カーボン市場)」と、社会の自主的排出削減を促進する「全国温室効果ガス自主排出削減取引市場(自主カーボン市場)」を確立している。
生態環境部気候変動対策司の夏応顕(Xia Yingxian)司長は「2つのカーボン市場は独立して運営され、排出枠清算・相殺メカニズムを通じて相互に連携し、全国カーボン市場システムを共同で構成し、排出削減事業体への全面的なカバーを実現している」と説明する。
2025年3月「強制カーボン市場」は初めて対象範囲を拡大し、鉄鋼、セメント、アルミニウム精錬業種を取り込み、全国の二酸化炭素排出総量の60%以上をカバーした。23年以降、生態環境部は関係部門と協力して、造林カーボンシンク(炭素吸収源)、洋上風力発電など6つの方法論を相次いで制定し「自主カーボン市場」の支援分野を段階的に拡大している。25年8月22日時点で、強制カーボン市場の排出枠の累計取引量は6億8000万トンを超え、取引額は474億1000万元(約に1兆596億円)達した。一方「自主カーボン市場」の認証自主排出削減量の累計取引量は249万トン、取引額は2億1000万元(約46億9350万円)に達している。
生態環境部は関係部門と協力し、30以上の制度および技術規範を制定して、多層的で比較的完備されたカーボン市場法規制度体系を初歩的に形成した。また、データ品質管理の強化に関しては、関連部門の監督・執行力を強化し、情報化手段を活用してデータ品質リスクのスマート早期予報警戒を実施し、炭素排出データの虚偽報告行為を厳しく取り締まっている。
生態環境部・華南環境科学研究所の厳剛(Yan Gang)所長は「長年にわたる発展を経て、中国の特色あるカーボン市場制度体系が初歩的に構築され、カーボン市場を主体とする中国の炭素価格形成メカニズムが徐々に形成されつつある」と紹介し、「カーボン市場構築の加速化、資源配分における市場の決定的役割の十分な発揮、社会全体のグリーン低炭素行動への参加の促進、低炭素・ゼロ炭素・マイナス炭素の技術革新の推進は、事業体の排出削減責任の履行、炭素排出デュアルコントロール(排出の絶対量と原単位の両面からの管理)の実施、社会全体の排出削減コストの低減にとって重要な意義を持つ」と強調している。
「意見」は、全国カーボン市場の発展の「タイムテーブル」と「ロードマップ」を明確に提示したものである。
「強制カーボン市場」については、27年までに、現在カバーしている電力、鉄鋼、セメント、アルミニウム精錬業種を基盤として、工業分野の主要な排出業種を段階的にカバーしていくとしている。
「自主カーボン市場」については、現在カバーしている再生可能エネルギー、メタン排出削減、エネルギー効率向上、林業カーボンシンクなどの分野を基盤として、さらにバイオマス利用、固形廃棄物処理などの分野に拡大し、27年までに重点分野の全面的カバーを実現するとしている。
そして30年までに、信頼性と透明性を備え、手法が統一され、参加者が広範囲で、国際基準にも通じる自主カーボン市場を構築するとしている。
排出枠割当てと清算制度は、全国カーボン排出権取引市場が健全で安定した秩序ある運営を行い、政策目標を達成するための基礎である。「意見」は、予測が明らかでオープンで透明なカーボン排出枠管理制度の構築を明確に提唱している。
「現在中国は強度(原単位)管理に基づく排出枠割当て方法を採用しているが、将来は『カーボン排出ピークアウトとカーボンニュートラル』政策の推進と連動させ、段階的に排出枠総量管理を実施し、27年までにカーボン排出総量が比較的安定している業種に対して排出枠総量管理を実施し、全国カーボン排出枠総量を事前に設定し『トップダウン』方式で企業に配分していく。同時に、無償と有償を組み合わせた排出枠割当て方式を研究し、導入を進め、排出枠備蓄(政府・取引所などの運営側が管理する排出枠の調整用ストック)と市場調整メカニズムを構築し、市場の需給バランスを図り、市場の安定性と流動性を高め、リスク管理能力を向上させる」、夏司長はこう説明している。
夏司長は今後の方針を「カーボン市場構築の強化を通じて、効率的な市場と政府の連携を強化し、カーボン市場の活性化と適切な管理を確保し、グリーン生産力、新しい質の生産力を活性化させ、経済社会の全面的なグリーン転換を推進しなければならない」と述べた。(c)People’s Daily /AFPBB News