北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)総書記=朝鮮中央テレビキャプチャー(c)NEWSIS
北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)総書記=朝鮮中央テレビキャプチャー(c)NEWSIS

【01月07日 KOREA WAVE】北朝鮮が、米軍によってベネズエラのマドゥロ大統領が事実上排除されたというニュースを国内向けには一切報じていないことが明らかになった。専門家は「独裁体制の指導者が数時間で失脚する」という事例が広まれば、キム・ジョンウン(金正恩)体制に対する不信や動揺が北朝鮮国内に波及しかねないとの懸念が背景にあると分析する。

北朝鮮外務省報道官は4日、朝鮮中央通信との質疑応答形式で「米国はベネズエラの主権を乱暴に蹂躙した」と非難し、「国連憲章と国際法を破った深刻な主権侵害」として糾弾した。しかしこれは対外向けの形式的な声明に過ぎず、国内の一般住民には全く共有されていない。しかも、声明ではマドゥロ大統領の拘束や政権交代についての具体的な言及は避けられている。

興味深いのは、昨年12月までは北朝鮮メディアがマドゥロ政権を擁護する記事を17本以上掲載していたにもかかわらず、今回の政変が明らかになった後は関連報道が完全に途絶えたという点だ。

これは「米国と敵対する指導者が外部の圧力によって排除される」というストーリーが北朝鮮住民に伝わることで、体制に対する不安や動揺を招くのを防ぐ意図があるとみられる。

また、北朝鮮はこれまで米国への「憎悪感情」を利用して国内統制を図ってきたが、今回のように米国が敵対政権を具体的に排除する行動に出ると、敵愾心が「恐怖心」へと変わる可能性もある。

住民が「我が国の指導者もいずれは……」と不安を覚えることで、潜在的な不満勢力の影響力が拡大するリスクがあるため、北朝鮮政権は極端に神経質な反応を見せているといえる。

北朝鮮は過去、リビアやイラクの政権崩壊に際し、「米国式レジームチェンジの危険性」を警告するためにこれらの事例を断続的に引用してきた。特にリビアのカダフィ政権崩壊後は「核を放棄すれば体制は崩壊する」との教訓として頻繁に取り上げ、核兵器保有の正当性を主張する材料として活用してきた。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News