【1月7日 AFP】国連(UN)は7日、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸で数十年にわたって続いている差別と分離が一層深刻化しているとして、イスラエルに「アパルトヘイト体制」を終わらせるよう求めた。

国連高等弁務官事務所による最新の報告書では、イスラエルが占領するパレスチナ自治区全域において、パレスチナ人に対する「体系的な差別」が近年「劇的に悪化している」と指摘された。

国連人権高等弁務官のボルカー・ターク氏は「ヨルダン川西岸におけるパレスチナ人の権利は体系的に締め付けられている」と述べ、「水の利用、学校への通学、病院へ急いで向かうこと、家族や友人の訪問、オリーブの収穫など、ヨルダン川西岸に住むパレスチナ人の生活のあらゆる側面が、イスラエルの差別的な法律、政策、慣行によって管理され、制限されている」と説明した。

また、「これは、以前に見られたアパルトヘイト制度に似た、特に厳しい形の人種差別と隔離だ」とも指摘し、「人種、宗教、または民族的出自に基づくパレスチナ人に対する体系的な差別を永続させるすべての法律、政策、慣行を廃止する」ようイスラエル側に求めた。

これまでも、国連と関係のある専門家の多くが、占領下のパレスチナでの状況を「アパルトヘイト」と表現してきたが、国連人権高等弁務官がこの用語を使用したのは今回が初めてだ。

西岸での差別について国連高等弁務官事務所は、多くの場合「イスラエルの治安部隊の黙認、支援、参加を伴っている」ことを指摘している。

報告書ではまた、国際法で違法とされる入植地の急速な拡大が進行しており、パレスチナ人の命を奪う違法行為が「ほぼ完全な免責」で行われているとして強く非難した。

報告書によると、2017年から昨年9月30日までに、西岸では1500人以上のパレスチナ人が殺害されているが、イスラエル当局による調査は112件にとどまり、有罪判決はそのうちの1件のみだという。

一方、いわゆる「行政拘禁」の下で、起訴や裁判なしにイスラエル当局によって恣意的に拘束されているパレスチナ人は数千人に上るとしている。

こうした状況について国連側は「人種隔離とアパルトヘイトを禁止する」国際的な反人種差別条約に違反するものだと強調し、「占領下のパレスチナ領土における違法な占拠状態を終わらせ、すべての入植地を解体し、すべての入植者を撤退させ、パレスチナ人の自決権を尊重する」ようイスラエルに求めた。(c)AFP/Nina LARSON