【1月2日 AFP】米国務省は1日、中国が台湾周辺で実施した軍事演習が「不必要に」地域の緊張を高めるものだと批判し、中国政府に対し「軍事的圧力を停止」するよう求めた。

国務省のトミー・ピゴット報道官は声明で、「台湾や地域内の諸国に対する中国の軍事活動と言動は、不必要に緊張を高めるものだ。中国政府に対し、自制し、台湾への軍事的圧力を停止し、有意義な対話を行うよう強く求める」と述べた。

さらに、「米国は台湾海峡の平和と安定を支持し、武力や威圧などによる一方的な現状変更に反対する」と付け加えた。

中国は12月29日と12月30日、台湾の主要港の封鎖や海上目標への攻撃を想定した軍事演習を実施。多数の軍用機と軍艦、海警船を展開して実弾射撃などを行った。

台湾政府は、この演習を「極めて挑発的だ」と非難した。

中華人民共和国(中国共産党)は台湾を統治したことが一度もないにもかかわらず、台湾は自国領土の一部だと主張しており、武力行使による併合も排除していない。

一方、ドナルド・トランプ米大統領は12月29日、台湾周辺での中国軍の実弾演習について、「懸念していない」と述べ、習近平国家主席が台湾侵攻を命じる可能性を否定した。

記者団に演習について問われると、トランプ氏は「習国家主席とは素晴らしい関係を維持しているが、演習については何も聞かされていない。それは間違いない」と述べた。

さらに、「彼がそんなこと(台湾侵攻)をするとは思わない」「彼ら(中国)は20年間、あの海域で海軍演習を行ってきたが、今では人々の受け止め方が少し変わってきている」と付け加えた。

中国による今回の武力誇示は、米国が台湾に110億ドル(約1兆7000億円)相当の武器売却を承認したこと、そして高市早苗首相が昨年11月7日の衆院予算委員会で、台湾有事をめぐって日本が集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」に該当する具体例を問われ、「戦艦を使って武力の行使も伴うものであれば、どう考えても存立危機事態になりうるケースだと私は考える」と答弁したことに続くもの。

米国は数十年にわたり台湾が自衛できるよう尽力する一方、台湾が侵攻を受けた場合に米軍が介入するかについては曖昧な態度を崩していない。

中国による今回の演習は、2022年に当時のナンシー・ペロシ米下院議長が台湾を訪問し、中国政府の怒りを買って以来、6度目の大規模軍事演習となった。(c)AFP